鎮西学院幼稚園 アンナちゃんDAY 青い目の人形通し平和考える 「他の国と仲良くする心を」

人形交流の歴史を伝える紙芝居=長崎県諫早市、鎮西学院幼稚園

 日米友好親善の願いが託された青い目の人形を通して平和について考える「アンナちゃんDAY」がこのほど、長崎県諫早市西栄田町の鎮西学院幼稚園(原田裕子園長、97人)であった。
 「アンナちゃんDAY」は、同園の礼拝の一つとして昨年から始まり2回目。
 青い目の人形を通した友好の歴史は、移民問題などで日米関係が悪化する中、1927年に米国の宣教師シドニー・ギューリック博士と日本の実業家・渋沢栄一らが、両国間の親善を目的に始めた民間の人形交流にさかのぼる。
 長崎から米国に贈った市松人形「ミス長崎(長崎瓊子(たまこ))」の里帰り展が2003年に県内で開催されたことを記念し同年、ギューリック博士の孫ギューリック三世から人形「アンナちゃん」が同園に寄贈された。普段は職員室のケースの中に大切に飾られ、園児たちに親しまれている。
 同園職員が人形交流の歴史などを紙芝居で紹介し、「平和の使者、アンナちゃんを大切にして、他の国と仲良くする強い心を持って」と語り掛けた。
 その後、園児の保護者は、鎮西学院平和祈念ミュージアムを訪ね、原爆投下当時、長崎市にあった同学院の歴史について学んだ。諫早市の主婦、大瀬智子さん(45)は「子どもたちも、身近に平和について考えるきっかけになって良かった」と話した。

ギュ-リック三世から贈られた「アンナちゃん」

© 株式会社長崎新聞社