【医師監修】妊娠30週の胎児の大きさは?食生活や気をつけたいこと

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この記事の監修ドクター
産婦人科専門医 齊藤英和先生
梅ヶ丘産婦人科勤務、国立成育医療研究センター臨床研究員、神戸元町夢クリニック顧問、浅田レディースクリニック顧問、近畿大学先端技術総合研究所客員教授、1 more baby 応援団理事、ウイメンズヘルスリテラシー協会理事。山形大学医学部卒業後、同大学、国立成育医療研究センターを経て現職。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖専門医、医学博士

妊娠30週ってどんな時期?

予定日まであと10週間

出産予定日は妊娠40週0日(妊娠11ヶ月の1週目)です。妊娠30週はその10週前の時期。出産の時期がだいぶ近づいてきましたね。なお、妊娠36週から始まる妊娠10ヶ月のことを一般的に臨月と呼びます。

医学的には妊娠37週以降42週未満での出産を「正期産」とし、赤ちゃんがお母さんの体の外でも生きていける機能を身に着けている時期としています。

37週より前の出産は早産ということになるので、一般的には臨月と呼ばれる時期であっても、妊娠36週での出産は早産ということになります。

妊娠30週に体内で起きる変化

赤ちゃんの変化

30週の赤ちゃんの平均体重は1,470gで、前の週から比べると平均157g増えています[*1]。このころにはママの体から赤ちゃんへ、赤ちゃんを感染から守る免疫物質(IgG)が胎盤を通してさかんに運ばれています。この物質は生まれたあとも生後6ヶ月ごろまでは赤ちゃんの体を感染から守ってくれます。

ママの変化

このころ、妊婦さんの心拍数は最大になります。体を巡る血液も最大量に近づきつつあり、心臓の負担も増えているので動悸や息切れを感じることもあるでしょう。

血液量の増加により、妊娠後期はむくみに悩まされることも増えます。ホルモンの影響で手や脚などの組織に水分が溜まりやすくなっていることが原因です。軽いむくみは生理的なもので多くの妊婦さんに起こるものです(全身がひどくむくむ場合は、妊娠高血圧症候群などの病気が疑われます)。

対策には、脚を少し高くして寝るようにしたり、睡眠をできるだけ十分にとるようにすることが挙げられます。

妊娠30週に必要なこと

妊娠後期の「正しい食べ方」を確認しましょう

赤ちゃんがぐんぐん育っているこの時期、お母さんのエネルギー必要量も増えています。

厚生労働省によれば、妊娠中期(妊娠14週0日~27週6日)は妊娠前に比べて+250kcalの摂取エネルギーが必要とされています。これが妊娠後期(28週0日~)になると妊娠前の+450kcalに増えます[*2]。バランスよく食事の量を増やしていきましょう。

妊娠後期は、妊娠中期よりも摂取エネルギーは増えますが、ただたくさん食べるのではなく、主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物をバランスよく食べるのが大切です。妊娠中期に比べて増やしたいのは、主食と牛乳・乳製品です。主食ならば、1日ご飯小盛り1杯、おにぎり1個、食パン1枚、ロールパン2個のいずれかを増やします。牛乳・乳製品は、牛乳コップ半分、スライスチーズ1枚、ヨーグルト1パックのいずれかです。

食事全体としては、不足しがちなビタミン・ミネラルは副菜で、体作りの基礎となる主菜は肉・魚・卵・大豆料理をバランスよく食べ、カルシウムは牛乳・乳製品でしっかり摂りましょう。厚生労働省の『妊婦のための食事バランスガイド』にわかりやすく紹介されていますので、活用してみると良いでしょう。

また、この時期はお腹が大きくなって胃が圧迫されるため一度にたくさんは食べられないかもしれません。そんな時は、食事を小分けにして食べるようにしましょう。

個人差を気にしすぎない

妊娠後期に入ったママは「赤ちゃんの発育」に関して不安になることがあるかもしれません。赤ちゃんごとに発育の差がかなり出てくることもあるほか、体重や体調の平均値から外れているケースもあります。

しかし、発育の速さに個人差があるのは、生まれた後も同じことです。中学生までは小さかったのに、高校生で一気に背が伸びる子もいれば、その逆のパターンもあります。子供の成長は常に、長い目で見守る必要がありますが、お腹の赤ちゃんも同じです。

妊娠30週の注意点

急激な体重増加に注意

先に紹介したように妊娠28週以降の妊娠後期には。それまでに比べ摂取エネルギーを追加することが推奨されています。

とは言え、食べ過ぎは禁物です。

体重の増加量がかなり多すぎると、前期破水や妊娠高血圧症候群や、巨大児、帝王切開などのリスクが高まるとされています。医師から太り過ぎと注意されたら、アドバイスに従って食事や生活の見直しをしましょう。

逆子の出産は?

妊娠後期で逆子(骨盤位)の場合は、その多くが帝王切開による分娩となります。妊娠30~妊娠35週ごろまでは、赤ちゃんが自然に回転することを期待して、いわゆる逆子体操(胸膝位、側臥位法など)を指示されることもありますが、これらの方法は早産傾向にある場合は実施できません。

また、有効性の根拠が乏しく近年あまり行われなくなってきました。

ほかに、医師がお腹の上から赤ちゃんの頭とおしりを押して徐々に回転させ、頭を下向きにさせる「外回転術」という矯正法もあります。外回転術には常位胎盤早期剥離(胎盤が出産より先にはがれる)や胎児の心拍数悪化などを引き起こす可能性もあります。

また、過去に帝王切開による出産をしたことがないなど、実施するにはいくつか条件を満たす必要があります。医療機関によっても実施可能かどうかは異なるので、気になる場合は主治医に相談してみましょう。

まとめ

この時期になると、少しでも無理をすると動悸や息切れを感じるママも増えるのではないでしょうか。長時間の⽴ち仕事など、体に負担がかかる作業はできるだけ控えた方がよいでしょう。妊娠後期は食事の量には気を付けていても、むくみやすかったり、動きにくいせいでなかなか運動もままならなかったりと体重管理が難しくなる時期ですが、出産まであと少し頑張りましょう。

(文:館野公一/監修:齊藤英和先生)

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