内閣改造は9月12日頃か~安倍総理が8月には行わないと明言

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月31日放送)にジャーナリストで東海大学教授の末延吉正が出演。今後行われる内閣改造と、その先に控えている自民党総裁選についての見通しを語った。

【政治 安倍晋三首相会見】会見にのぞむ安倍晋三首相=2019年7月22日午後、東京・永田町の自民党本部 写真提供:産経新聞社

党三役は変わらず、粛々と

安倍総理大臣は30日、自民党本部の役員会に出席し、内閣改造や党役員人事について、8月中に行うことはないと明言した。総理の外交日程なども考慮し、人事は9月中旬を目処に行われる見通しである。

飯田)明日(8月1日)に臨時国会が召集されますが、これは参院選の結果を受けてというところです。その先は外交日程であるとか、あるいは長崎、広島の原爆の日、それから戦没者慰霊など。日程は結構詰まっています。

末延)8月の前半は広島長崎、終戦記念日。挟んで少し休養を取り、後ろはG7。それから横浜でアフリカ開発会議(TICAD)もありますし、9月末は国連総会でニューヨークに陣取って外交を展開します。9月12日とか、あの辺りではないかと言われています。

飯田)あと1ヵ月くらいあるということですが、これがどうなるのか、すでに記事が出ています。

末延)いろいろなものを目にしますが、本当に取材しているのかなというものもあります。思い込みでそうしたいという部分もあるのかもしれませんが、基本は政権を支えている菅官房長官、麻生副総理・財務大臣、それから何よりも政局をリードする二階幹事長の党三役。骨格は全く動かさずに、自分の任期いっぱいを全力で憲法を含めて、景気対策や経済について粛々とやって行く。そしてその後継には、自分のいまの政策と体制をそのまま引き継いでくれる菅官房長官に託したいという思いを、チラチラと見せながらやって行く。この前の改造は各派閥に総裁選のこともあって、入れなくてはいけない人がいた。すると変な、頼りない大臣も…。

飯田)失言があったりしました。

末延)腰の定まらない防衛大臣とか、いましたよね。そういうところを含めて力のある人をなるべく配置したいということで、骨格は変わらず、安定的に。外交案件もやらなければいけないことが多い。拉致、北方領土、中国との問題、アメリカとの経済交渉もあります。それから何よりも経済です。増税もありますから、そういったことも含めて動かすには、いまの骨格そのままで、プラス若い人なり力のある人を少しでも入れたい。女性も登用したいでしょうが、候補者全体が少ない。

飯田)特に自民党のなかである程度のベテランというと、人数は限られてしまいます。

末延)民間から入れたらどうですかね。優秀な人はいっぱいいますから。この間もテレビ朝日の『朝まで生テレビ!』を見ていたら、政治家ではない若いベンチャー企業の人が出ていて、半分くらいは女性で占められていました。政治家の回は面白くないですが、そのときのメンバーにはリアリティがあって、いまの若い人もいいなと改めて思いました。政治もそういう血を入れた方がいい。

飯田)これまでに民間から登用された大臣もいましたよね。

末延)N国とか、れいわ新選組が頑張ったでしょう。あれは普通の言葉で喋ってくれる人ということなのですね。

世論がネットで形成される時代に

飯田)俺たちの気持ちを代弁してくれているなという。

末延)既成の野党の人が分かっていないと思うのは、与党と野党が同じように見えるのですよ。
1つの決まり事、歌舞伎を演じているみたいで、リアリズムを感じないのです。そこに痛みなどをうまくすくったのが、れいわ新選組、あるいはワンイシューで分かりやすかった、ちょっと荒っぽいけれどN国。明らかにネット中心の世論が形成されて来て、世の中の空気の捉え方が、大手のメディアも捉え間違えている。僕も研究者の端くれなので、それがいちばん気になっています。

飯田)昔はネットでウケて盛り上がりを見せても、選挙の投票は別物なのだと。それこそ加藤紘一さんの例などがありましたが、いまはそれが整合して来ている。

末延)逆に言えば、このネット時代をいち早くつかんだのが安倍政権ですよね。それから共産党も早い。

飯田) カクサン(拡散)部とかありますからね。

末延)ゆるキャラなどを作ってね。いちばん遅れていたのが旧民主党です。自分たちはメディアと一体だという甘えがあったのか、ネットやPRの部分ではかなり遅れている。安倍官邸は早かった。

飯田)確かに今回の比例区の票の出方を見ていると、ネットを中心に積極的にやっていて、与党のなかでも山田太郎さん、和田政宗さん、佐藤正久さんもそうだと思うのですが、都市部で相当票を獲りましたよね。

末延)逆に言うと、テレビで人気があったタレントにインパクトがなかった。むしろネットのなかでどういう存在感を持つか。明らかに世論形成の仕方が変わって来ているのは間違いないです。

ペンス副大統領との会談などのため米国へ出発する菅義偉官房長官(中央)=2019年5月9日午前、成田空港 写真提供:時事通信

ポスト安倍の行方

飯田)今回の選挙、自民党でいちばん躓いたと言ったら何ですが、岸田文雄さんは自分の派閥4人を落としてしまったし、自分の地元の広島でも苦戦して、溝手顕正さんを落としてしまった。政調会長はどうなりますか?

末延)いやいや。みんな「終わった」と言いますが、安倍さんと岸田さんは当選同期で、安倍さんの岸田さんに対する信頼はとても厚いです。取材をしてみるとよく分かります。だから邪険にするようなことは絶対にない。その辺はあまり思い込みで言うと間違う。ただ、力や突破力を含めて言うと、ここへ来て菅官房長官が一気に出て来た。そういう意味ではポスト安倍の一番手は菅さん、二番手が岸田さん。あとは河野さん、もう少し先で小泉さんも育って来るのかどうか。石破さんはかなり外れて行ったような感じが今回、ありました。

飯田)政策の立案能力とか、そういう部分では力のある方だけれど。

末延)いや、本当に立案能力なのか、僕には疑問です。後付けで評論するのは大変上手い方だけれど。学生にもよく言いますが、現実というものは、例えば理屈で100%正しく存在しないのですよ。7割合っていても3割は違うとか、グレーです。それをどのように手を付けるか。政治は最高のアートだと言うのは、まさにそういうことを調整しながらやって行くというところで、そういう意味では安倍さんや菅さんの方がリアリズムがある。

飯田)菅さんは、特に黒子として汗をかくという感じです。

末延)絶対に総理よりも前に出ませんから。あれほどいいコンビは、私も長く政界を見て来たけれど、過去最高ではないですか。プラスして岸田さんの人柄と力は、いずれ前に座る可能性はある。安倍さんの信頼は非常に強いです。

飯田浩司のOK! Cozy up!
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