図録「ながさき原爆の記録」が23年ぶりリニューアル 長崎原爆資料館

大幅リニューアルした「ながさき原爆の記録」を持つ辻さん

 長崎原爆資料館(長崎市平野町)の展示内容を紹介する図録「ながさき原爆の記録」が23年ぶりに大幅にリニューアルされた。市が監修し、長崎平和推進協会が発行。ケロイドに苦しんだ故山口仙二さん、背中に大やけどを負った故谷口稜曄(すみてる)さんら被爆者の写真、原爆で一本柱になった山王神社の鳥居の被爆前後の写真などを新たに加え、写真は58枚から86枚になった。編集に携わった同協会の辻珠乃さんは「本を手に取って74年前のあの日のことについて考えてみてほしい」と話す。
 同館は2015年、展示している長崎型原爆(ファットマン)の模型について、深緑色から実物に近い黄色に塗り直した。被爆70周年事業として16年3月には展示内容を更新。プロジェクションマッピング技術を活用し、被爆時の状況が分かるジオラマやデジタル化した資料などを追加した。こうした展示内容の見直しも踏まえ、図録のリニューアルを求める声が上がっていたという。
 昨年9月から写真の選定などの作業を進め、図録は資料館の展示ルートに準じて紹介。表紙や中身のレイアウトを刷新し、説明文も分かりやすいよう一部手直しした。外国人観光客向けに、これまでと同様、資料の説明文には英訳もつけた。
 A4判、47ページ。1冊800円。館内のショップで販売している。

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