【MLB】6人退場の大乱闘劇の衝撃… すでに退場していた監督も“再登場”で大暴れ!?

レッズ-パイレーツ戦で6人が退場処分になる大乱闘劇が勃発【写真:Getty Images】

投手がマウンドから相手ベンチにダッシュして左フック→大乱闘に

■パイレーツ 11-4 レッズ(日本時間31日・シンシナティ)

 30日(日本時間31日)のレッズ-パイレーツの一戦で6選手が退場処分となった約5分にも及ぶ大乱闘劇。レッズの左腕アミール・ギャレット投手がマウンド上から相手ベンチに猛ダッシュし、相手選手に左フックを見舞うという衝撃の展開から乱闘からスタートしたが、パイレーツの選手からはレッズのデビッド・ベル監督への非難の声が上がっている。

 レッズの8点ビハインドで迎えた9回2死の場面。左腕ギャレッドがマウンドで投手コーチと話していると、野次られたのか、相手ベンチに向かっていきなり激怒。マウンドから猛ダッシュで駆け下り、三塁側ベンチ前でパイレーツのトレバー・ウィリアムズ投手に左フックをお見舞いした。その後、約5分間も騒ぎは収まらず、レッズのギャレット、プイグ、パイレーツのウィリアムズ、セルベリ、アーチャー、クリックと6選手が退場処分に。危険な乱闘劇となってしまった。

 その中でひときわ存在感を発揮していたのがベル監督。実は、8回にプイグの打席でストライク判定に抗議して退場処分となっていたが、乱闘が始まるとフィールドに“再登場”。大乱闘劇の中、相手に何かをまくしたてるなど、怒りが収まらない様子だった。

 MLB公式サイトによると、この日のパイレーツの先発マスグローブは「また何かが起こっても驚かない。今夜起こったこと、彼らの行動を軽く受け止めてはいない。チームを率いている男が首謀者なんだ。退場後に彼が戻ってきて、僕たちの監督に向かって行ったんだ。今後何が起こるかは分からないけど、間違いなく何かが起こるだろうね。準備できているよ」と、荒れ狂っていたベル監督に苦言を呈している。

当のベル監督も苦言「このようなことが起こっているのは残念」

 同じナ・リーグ中地区のライバルである両チームには因縁があり、今年4月7日(同8日)にも5人が退場する乱闘劇があった。このときは、先発右腕アーチャーがディートリッチの背後を通過する1球を投じたことがきっかけに。その前の打席でアーチャーから場外2ラン弾を放った際、ディートリッチが打席に立ち尽くして打球の行方を見届ける“ドヤ顔”パフォーマンスを見せたことへの“報復”の1球だったのだ。これにレッズのベル監督が激怒し、ベンチを飛び出して抗議。プイグの突進が合図となって乱闘となっていた。

 30日(同31日)の試合でもキーオン・ケラがディートリッチへの初球を頭の上に投げ、すでに不穏な空気が流れていた。今回の大乱闘劇の後、ケラはMLB公式サイトの取材に「本当のことを言うよ。僕があのような球を投げたのは、以前起こったことに納得していないということをディートリッチに示すためだった。もちろん、過去のことだと言う人もいるだろう。結局のところ、これは野球であり、僕はチームメートを守らなければならず、正しいと思ったことをした」と、わざと頭部を通過するボールを投げていたと告白している。

 一方でレッズのディートリッチは「もちろん、あのようなことは許されない。明らかに故意だった。僕の頭のすぐ上だった。誰もあのようなことを見たくない。自分のチームメートにはしてほしくないね。僕たちはあんなふうにプレーしない。あのように投げない。彼らは違うようだけどね」と指摘。ベル監督も「彼は頭部に投げたんだ。驚かないよ。ずっと起こっていることだからね。しかし、このようなことが起こっているのは残念だ」と記事の中で振り返っている。報復が報復を呼び、この日の大乱闘ではその感情が爆発したようだ。

 同地区で対戦も多いレッズとパイレーツ。因縁はまだまだ続きそうだ。(Full-Count編集部)

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