対馬 給食にジビエ「御膳」 地元栄養士ら考案 イノシシ肉など活用、ろくべえ汁も

対馬のイノシシ肉やシカ肉などを使った「対馬御膳」

 対馬の栄養士らでつくる対馬市学校給食研究会(東岡貢会長)が、島内で捕獲されたジビエ(野生鳥獣肉)の料理などからなる特別給食「対馬御膳」を考案した。11月の地場産物使用推進週間中、市内の各小中学校の給食でお披露目される予定だ。

 対馬御膳のメニューは▽対馬で捕獲されたイノシシやシカなどを使った「ジビエ肉団子」▽発酵させたサツマイモから取り出したでんぷんで作る対馬伝統の麺料理「ろくべえ汁」▽対馬産野菜を使ったサラダなど。市教委はジビエの有効活用を図るため、2016年度から学校給食に取り入れているが、対馬の伝統料理と組み合わせたセットメニューは初めてという。

 このほど厳原町であった試作会には、市内8カ所の学校給食共同調理場で働く栄養士ら約20人が参加した。福岡市内でフランス料理店を営む田畑伸弥さんが「ジビエ肉団子」について、豚肉をつなぎに入れることで肉団子がもっちりした食感になることや、表面をしっかり揚げることで肉汁が中にとどまることなどをアドバイス。肉団子に合う和・洋・中3種類のソースの作り方も教え、栄養士らが熱心にメモを取っていた。

 試作後は、「対馬御膳」を試食。ジビエ団子については「外はカリッとした食感で、中はジューシー」などと声が上がっていた。栄養士の阿比留智子さんは「とてもおいしいメニューができた。給食を通じ、対馬で生まれ育った子どもたちに地元の食文化、食材の良さを伝えていきたい」と話した。

栄養士に「ジビエ肉団子」の作り方を実演し、指導する田畑さん(左)=対馬市交流センター

© 株式会社長崎新聞社