「東日本大震災」関連倒産(7月度速報値)

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 2019年7月の「東日本大震災」関連倒産は3件(速報値:7月31日現在)で、前年同月(2件)を4か月ぶりに上回った。震災から8年を経過して収束傾向が強まるなか、101カ月連続で関連倒産が発生し、累計件数は1,921件(7月31日現在)に達した。

7月の倒産事例

 (株)門田屋(TSR企業コード:140029303、法人番号:7370201000482、宮城県)は家庭用荒物・雑貨品を宮城県北部のほか、秋田県および岩手県内のホームセンターや薬局に販売していたが、2011年3月に発生した東日本大震災により本社屋が損壊し同年7月、本社敷地内の倉庫2階に本社機能を移転。改装費用の一部を銀行借入で対応したほか、被災により不良化した在庫処分を震災関連の低金利制度資金調達で賄った。
 しかし、主力取引先だった大手ドラッグストアや大手ホームセンターとの取引が解消されるなど取り巻く環境は一層悪化し、2015年3月期には消費増税を背景とした小売店の不振から受注が低迷、最終赤字となった。以降も業績低迷に歯止めがかからず、借入負担に加えて不良在庫を抱えていたこともあり資金繰りが逼迫し、今回の措置となった。

東日本大震災関連倒産 震災後月次推移

 7月の地区別は、3件すべてが東北(宮城、岩手、福島各1件)だった。
 累計件数1,921件の都道府県別で、最も多かったのは東京の569件。次いで、宮城178件、北海道85件、岩手82件、神奈川79件、福島77件、茨城と千葉が各76件、福岡70件、栃木と群馬が各61件、静岡50件、山形48件、埼玉と大阪が各46件と続く。直接被災地の東北6県の倒産件数は442件(構成比23.0%)だった。
 産業別では、最も多かったのが宿泊業や飲食業などを含むサービス業他の509件(構成比26.4%)。次いで、製造業443件(同23.0%)、卸売業351件(同18.2%)、建設業224件(同11.6%)、小売業183件(同9.5%)、運輸業79件、情報通信業64件と続く。
 被害型で分類すると、「間接型」1,710件(構成比89.0%)に対して、「直接型」が211件(同10.9%)だった。

東日本大震災関連倒産

震災関連の集計基準

「震災関連」の経営破綻は、原則として次の3つのどれかに該当するものを集計している。

震災により施設・設備・機械等に被害を受けて経営破綻した(直接型) 以前から経営不振だったが、震災による間接影響を契機に経営破綻した(間接型) 震災の影響による経営破綻が、取引先や弁護士等への取材で確認できた(直接・間接型)

  • ※集計では、すでに震災前に再建型の法的手続を申請しながら、震災による影響で再建を断念し破産手続に移行したケースなどは、倒産件数のダブルカウントになるため集計から除外している。
  • ※「震災関連」の経営破綻は下記の「倒産の定義」のいずれかに該当するケースを「倒産」として集計。「事業停止」や「弁護士一任」、「破産手続き中」などの企業は、今後の展開次第で事業再開の可能性もあるため、「実質破綻」として区別した。

倒産の定義(対象:負債額1,000万円以上の法人および個人企業)

  • 会社更生法、民事再生法、破産、特別清算を裁判所に申請した企業(法的倒産)
  • 手形決済などで6カ月間に2回の不渡りを出し、銀行取引停止処分を受けた企業(私的倒産)
  • 企業が経営破綻により事業継続を断念したが、法的手続きを採らず弁護士などに事後を一任して私的整理(内整理)を明らかにした企業(私的倒産)