豚コレラ2頭目、砺波で確認 野生イノシシ

 県は1日、砺波市庄川町庄の山中で豚コレラに感染した野生イノシシの死骸が見つかったと発表した。県内で野生イノシシの感染が確認されたのは、7月27日に富山市大沢野地域で発見された死骸に続き2頭目。県によると、砺波市の発見場所から10キロ以内にある養豚場2カ所を含め、県内にある全養豚場19カ所の豚に異常は確認されていない。

 1日午前に地元の猟友会メンバーが、わなの近くで横たわっているイノシシの幼獣を見つけた。県東部家畜保健衛生所が遺伝子検査をしたところ、陽性反応が出た。メスで体長は約60センチ、体重は約6キロだった。

 2頭目以降は、国の確定検査を経ずに県が感染しているかどうか判断できる。

 県は検査結果を受け、砺波市の発見場所から10キロ以内にある養豚場2カ所を「監視対象農場」とし、防疫や監視体制を強化。10キロ以内のエリアで捕獲された全てのイノシシについて、感染の有無を調べる。

 2頭目のイノシシの移動ルートやどこで感染したかは不明。感染したイノシシが県内に多く生息している可能性は否定できず、県は養豚場のイノシシ侵入防止柵の設置や捕獲強化など、既に発表している緊急対策の実施を急ぐ。

 豚コレラは豚やイノシシ特有の病気で人には感染せず、感染した豚の肉を食べても影響はない。昨年9月に岐阜市の養豚場で国内では26年ぶりに感染が判明して以降、現在までに出荷先を含めて7府県で豚への感染が確認されている。

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