引きこもりの悩みを共有 津久見市に親が集うサロン【大分県】

精神障害者家族会が運営

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引きこもりの子どもがいる保護者らの居場所として月1回開いているサロン。参加者の悩みを聞く神田弘法会長(左)と加嶋文哉代表=7月20日、津久見市

 引きこもりの子どもがいる親らが集い、悩みを共有するサロンが津久見市にできた。「将来への不安などが共通している」と精神障害者の家族会が運営しているのが特徴。引きこもりの人が関わる重大事件も起きる中、親子を追い込まないため保護者を支える受け皿は重要だ。一方で県内はまだ十分とは言えず、関係者は「思いが重なる人たちが開設した津久見の事例は参考になる」と話す。

 津久見のサロンは「臼津あけぼの会」(神田弘法会長)が運営。会員が互いの気持ちを話し合える場をつくろうと考えた際、「引きこもりの子どもがいる親も『親なき後』といった不安は同じではないか」と対象に加えたという。

 5月から毎月第3土曜日、同市地蔵町の障害者福祉サービス事業所ジョイントリーで開いている。

 7月20日の第3回は引きこもりや心の病、発達障害の家族がいる7人が参加。60代の女性は30代の息子2人が引きこもっており「どうしていいか分からない」と打ち明けた。

 引きこもりの人が関係した殺人事件の続発に衝撃を受け「本人に強く言えない。でも周囲には甘やかしとみられて理解してもらえない」といった発言も。父親と子どもの板挟みになる苦悩を話す母親もいた。

 参加者の子どもの状況はそれぞれ異なるが、神田会長(58)は「仲間がいることを知り、心が安らぐ時間になれば」。孤立しない環境づくりに努める考えだ。

 子どもの引きこもりで悩む家族は県内各地にいる。思いを共有できる場としては、親の会が大分市に二つある他、少なくとも12市町に14ある不登校の親の会にも参加できるという。ただ、地元にない地域があったり、あっても参加者の世代が離れていて直面する悩みが異なるといった課題がある。

 津久見のサロン運営に協力している「不登校・ひきこもりを考える親の会星の会」の加嶋文哉代表(60)=大分市ひばりケ丘=は「高齢になった保護者もおり、身近に悩みを話せる場所があることが大切」と強調。津久見の事例が参考となり、受け皿づくりが広がっていくことを期待している。