食品廃棄物×コンバース!?ドリップコーヒーのカスで染めたスニーカーが今話題に

徐々に日本でも耳にする機会が増えてきたSDGsですが、そんなSDGsの認知度向上にも繋がるプロダクトが、食品廃棄物を利用して染色したアパレルを展開している「FOOD TEXEILE」と「CONVERSE」のコラボレーションのスニーカーが登場しました。

今回販売されるスニーカーは、「Drip Coffee」「Blue Mallow」「Sakura」の3種類、それぞれのモデル名は生産する際の染料を表す言葉になっており、フードテキスタイルの公式オンラインストアなどで2019年8月から販売されます。

今回の記事ではどのようなスニーカーが販売されるのか、またそれぞれの商品に込められた想いや取り組みについてご紹介いたします。

 

コーヒーの出涸らしで染めたCONVERSEスニーカー

コーヒーの出涸らしで染めたCONVERSEスニーカー
参照:FASHIONSNAP.COM 

カフェで提供するドリップコーヒーを作る際に必ず出ててくる「出涸らし」(コーヒー淹れた後に出るコーヒーのカス)を、染料として再利用して染めたスニーカーです。
スニーカーのモデル名は「Drip Coffee」で、コーヒー好きにもおすすめのアイテムです。

 

規格外になったハーブティーの残りカスで染めたCONVERSEスニーカー

オーガニックハーブや、精油、アロマテラピーなどを取り扱い、世界中に提携農家を持っている「生活の木」の製品の一つ、ハーブティー「マロウブルー」の規格外品の残りカスを再利用し、染めあげられた物が「Blue Mallow」です。

 

東日本大震災の支援に繋がる、桜の散った花びらで染めたスニーカー

東日本大震災の支援に繋がる、桜の散った花びらで染めたスニーカー
参照:FASHIONSNAP.COM 

日本を代表する「桜」は、咲き誇る花びらと散る花びらで多くの人々を魅了します。「Sakura」と名付けられたスニーカーは、その散った後の花びらを利用して染められたスニーカーです。

Sakuraの売り上げの一部は、東日本大震災の記憶を風化させないために、津波到達地点に桜を植えるプロジェクトに募金され、環境保全だけでなく東日本大震災の支援にもなります。

「FOOD TEXEILE」とは!?

世界では先進国を中心に食品廃棄が問題となっていますが、その問題に立ち向かうべく「FOOD TEXEILE」は、捨てられるはずだった野菜や果物などの食材を利用し、染色したプロダクトを提供するファッションブランドを展開しています。
染料に使われる原料だけに止まらず、染色する過程で使われる薬品も極力使用しないよう生産されています。
また、展開される製品の淡い色合いは使われた化学染料が少ない証拠であり、今回の「converse」とのコラボスニーカーも、淡い色合いが特徴の1つにもなっています。
原料の供給元も食品企業と提携して行なっているため、染料の原料となる食品を集めるコスト自体も省かれており、企業側としても、長期的にCSR活動(企業の社会的責任)を行う事ができます。

生産システムの一部にリサイクル(再利用)の概念を取り入れる事が出来る仕組みは、とてもエシカルな考え方で、まさしくSDGsに賛同出来る取り組みといえます。

 

環境を考えた新シリーズ「CONVERSE e,c,lab」

環境を考えた新シリーズ「CONVERSE e,c,lab」
参照:FASHIONSNAP.COM 

今回の「FOOD TEXEILE」と「CONVERSE」のコラボレーション「CONVERSE e,c,lab」は、環境を第一に考えたエコ素材を実験的に使用したサスティナブルな新ラインナップが勢ぞろいです。

アッパー(スニーカーの表面)に採用された「FOOD TEXEILE」の概念のように、「CONVERSE e,c,lab」のスニーカー自体も、再利用した素材が採用されています。
インソール(中敷)は「オーソライトエコ」というリサイクルゴムを使用した物を採用しており、アウトソール(靴底)も同様に、リサイクルラバーが使用されています。
またデザインポイントとして、サスティナブルを意識するだけでなくクラシックなスニーカーのデザイン要素を散りばめる事で、SDGsや環境保全への興味関心がまだ低い、既存のCONVERSEファンにも受け入れやすくなっています。

現在CONVERSEで販売されている定番モデルの靴紐は、コットンとポリエステルの混紡のシューレースが採用されていますが、今回誕生した「CONVERSE e,c,lab」のラインでは、コットン100%の物を採用し、スニーカーの細部まで、地球に優しい素材が採用されています。
トップスプリング(つま先)のデザインも傾斜が低く設定され、クラシックなデザインになっており、この二つのディテールは、90年代初頭まで生産されたアメリカ製のCONVERSEのディテールを彷彿とさせる物で、クラシックなデザインを好むCONVERSEファンにも堪らな一足になっております。

まとめ

SDGsの取り組みをまだ認知してない人々にとって、今回のコラボレーションスニーカーは、一つのキッカケになり得るプロダクトです。
食品廃棄物を再利用する「FOOD TEXEILE」の仕組み、ただのコラボレーションとしてだけではなく「CONVERSE e,c,lab」としてサスティナブルを意識したラインをスタートさせたCONVERSE社は、2社ともSDGsを広める素晴らしい取り組みを行なっております。
なにより、SDGsを意識するだけでなく、既存のCONVERSE愛用者にも刺さるプロダクトとして提供できる事は、さらなるSDGsの普及を予感させる一足といえます。

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