つい先日、ポッキンの愛称で親しまれる辻本ナツ雄さんの記事をルアマガプラスで投入。あれ?そういえば、ポッキンさんて、でっかいオオモンハタのIGFAの世界記録魚を仕留めてなかったっけ?という話になり、確認のため電話をしたところ....。「ええ、去年の6月に釣りましたよ!世界記録魚!でも...」ん?でもなんですか?? その後の話を聞いて涙....。いや、ともあれ、世界記録魚を釣り上げたのは事実。その時の話、kwsk(詳しく)聞きましょう!!
偶然?必然?突然やってきた世界記録魚。
もしもーし、ポッキンさん。連絡していたオオモンハタの記録魚、写真をありがとうございます。
ポッキン「あ、その前に、先日の記事(web)に上げているキジハタの56cmネタ、写真に写っているの51cmのキジハタで、ネタになっている56cmとは違いますよ?」
え? すいません。じゃ、その写真送ってください。すぐに差し替えますので。
ポッキン「最初の写真の51cmも、初めて釣ったキジハタ50cmアップでね...。泣いたんですよ(笑)嬉しくて....」
とまぁ、ポッキンこと辻本ナツ雄という人は、あだ名のひびきの通り普段は面白い人で明るいオジサン。で、話も面白いアングラーさんなのだ。ちょっと個人的には高田純次さんが被るのですが....。さておき、そんなオモシロ明るいポッキンさんてば、50cmアップに感動して泣いちゃうとか、素敵ですやん。釣り最高!
で、世界記録魚のオオモンハタなんですけど。
「よくぞ聞いてくれました! 釣ったのは2018年6月30日。ちょうど、メディアの取材で愛媛県の愛南に行った時の話です。実は、悪天候もあって海が大時化というか、だだ濁りになっちゃってね。これじゃぁ、取材にならないということで、中止になったんですよ。
でも、ほら、せっかく愛南まで来たんだし、ちょっと釣りをしたいなぁということになってね。メバル用のライトタックルを使って港湾部で釣りでもするかということになりまして。ちょうど、その釣りをしたポイントってのは30cmくらいのキジハタやオオモンハタがポロポロと釣れるところでね」
ん? 初めからデカイのを釣るつもりみたいな状況では無かったんですね?
「実は、そうなんです。で、天候も悪くて海も濁ってるし、これはダメかな?と思っていたら、たまたま流れ込みがありまして、その流れ込みの水が澄んでいたんですよ。その流れ込みの影響を受けたエリアは透明度も少しありましてね。そこのエリアを攻めてみようかということになったんです」
ちなみにライトタックルって、どんなロッドで、どんなルアーを使っていたんですか?
「スモーキー・カミーユ77(オフト)、リールはシマノのアルデバラン。それに0.6号のPE。リーダーは12lbだったかな。バリバス製のラインです。それにシラスジグ8.3g(スミス)ですね」
8.3g!!それは軽いジグですね。それをどんな風に使ったんでしょうか?
「えと、キャストしまして、ボトムをとりますよね。そこから20回ぐらい小さくシャクってリールを巻くというショートピッチジャークをするんです。それぐらいジャークしてからまたフォール。その繰り返しです。水深11m前後の場所だったかな。ジャークすると50〜60cmは1回で浮き上がるような感じですかね」
なるほど。
「それを繰り返していたときに、ゴン!と来ました。シャクリは16回目でしたね。キジハタとかはもっと低層で、5から6回くらいのシャクリ時に良くくるんです」
それっと、ちょっとした釣り分けテクニックですか?
「はい。オオモンハタのほうが中層エリアで来ることが多いので。キジハタ狙いなら、シャクリの回数は5〜6回くらいの時に来ます」
ということは、この時もオオモンハタだと思ったんですね?
「いや、実はですね。ゴン!と来まして、ものすごい勢いで引くじゃないですか。サイズはかなりでかく感じたんですね。で、狙っていた場所って、30cm程度のハタ類がアベレージだと思っていた場所なんで、最初はオオモンハタだと思わずコロダイだと思ったんですね(笑)コロダイ良く釣れるので」
ああ、別の魚だと思ったんですね(笑)
「でも、重量感のあるトルクのある引きなのでアレ?とは思いました。そうこうしてやりとりしていると、手前まで寄って来たんですけど、敷石に突っ込まれて根に入られてしまって。そのときに、あれ?もしかしてハタかな...とは思いました。たまたま、根に入られた時に堤防を横に移動してやりとりを再開したんですけど、ドラグを緩めていたこともあり根から剥がれたんです。同時に、魚の向きが自分に向いたんで巻いたんですよね。で、あ、まぁ、やっぱりコロダイかな?って、また思っちゃったんですよね(笑)で、のんびりタモを持って来てもらって。そうこうしていたら魚も見えてですね。ちなみにコロダイって模様はオオモンハタに似てるんですよ。なので、やっぱり網ですくう瞬間も、あ、コロダイだと思ったんです」
確かにコロダイはオオモンハタに似ていますよね(笑)
「すくい上げて、魚体を見てびっくり。オオモンハタだ!!となりまして(笑)」
釣った時は、記録に対しての意識はなかった...
「釣ったオオモンハタ、50cmを超えていましてね。オオモンハタの50cmを釣ったこと自体が、初めてで。あまりに嬉しかったこともあり、剥製にしようと持ち帰ることにしたんです。ちなみにですが、持っていたバネ測りで計測したら2.51kgありました」
2.51kgはすごいですね!
「で、まぁ、剥製屋さんに預けて、色々調べたり、指摘を受けたりして後から気づいたんですが、IGFA(インターナショナル・ゲームフィッシュ・アソシエーション)の記録魚なんじゃないかと。調べたら、当時の記録魚が2kgを切っていたんですよ。あれ?じゃあ、ということになって。自分にとってもメモリアルな魚だったんで、申請しようと言うことになりまして」
International Game Fish Association
それで、申請したんですね!
「当時、一緒に釣りをしていたスタッフや仲間に証人になってもらったり、後日、持ち込んだ剥製屋さんに重さの面で、再度計測して(冷凍してた)もらって、そちらも証人を知り合いに頼んでみたいなことをしましてですね。結果として承認されまして、最終的には2.14kg(4lbs.12oz)、オールタックルのカテゴリのオオモンハタ記録魚に認定されたんです!」
すごい快挙ですね!
「でも、後日談がありまして....」
どうしたんですか?
「すぐに、記録が塗り替えられてしまったんです。でも、一度は、記録魚の歴史として名前を刻めたので、全然OKなんですけどね! 思い出深い魚ですし。ただ、記録として承認された証書は、申請から半年くらい後に送られて来るんですよ(笑)」
あ、つまり、記録が塗り替えられた後に、届いたということなんですね......。でも、記憶ですよ、記憶!ポッキンさん泣かないでください!次、また記録に残る魚をぜひ釣り上げてください。しかし、びっくりするほど、ライトなタックルで釣り上げられたんですね。
「はい、意外に、小さなジグが効くし釣り方があるということを再認識しました。どうしてもハタというとパワータックルで、大きなワームなどに傾倒しがちですが、ライトタックで小さいルアーを使うシステムだと反応がいいんですよね。あと、個人的見解なんですが、6月後半から7月にかけて、ハタって港湾部でスポーン(産卵行動)をしている気がするんです。なので、その時期にショアラインで大きな魚、特に雄の大型が釣れることもわかってきました」
そのあたりのテクニックも随分と磨かれていると聞いていますので、ぜひ、近いうちに取材させてください。ありがとうございました!