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オールバニー

公立学校の差別禁止法 ニューヨーク州で拡大へ

ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は、先月25日、公立学校の生徒たちに対する差別禁止法を適応させるための法案に署名した。先月26日付NBCニューヨークが伝えた。

2012年の裁判判決の下で、公立学校の生徒たちは現在まで、差別禁止法の対象に含まれていなかった。今年はじめに州議会を通過した新しい法案「反バイアス法」では、ニューヨーク州人権局が、学校でのいじめ、嫌がらせをはじめとする、さまざまな形態の差別の疑いを調査することが可能となる。

反バイアス法は、人種、宗教、出身国、性的指向などの要素に基づく差別の防止を目的としている。クオモ知事は、この同法を公立学校の生徒に適応することで、学校でのいじめ、嫌がらせ、偏見などから、生徒たちは確実に保護されるだろうと述べた。


マンハッタン

糖尿病患者のケア 支援強化へ

公益法人「NYCヘルス+ホスピタルズ」は、糖尿病患者がより適切に病気を管理し、疾患を克服するための支援を強化する。先月23日付amニューヨークが伝えた。

同法人は支援の一環として300万ドルを投じ、年末までに医療センターや診療所に20人の臨床薬剤師を配置する予定だ。また、患者はプライマリケアの受診で眼科検診を受けることが可能となる他、個別に専門医の予約を取らなくても診察を受けることができるようになる。

同法人は、およそ6万人の糖尿病患者に医療を提供しているが、その多くは健康保険を持たない低所得世帯者だという。

今回の支援で同法人は、メンターと患者が共有し疾患を管理する方法と、モバイルアプリを使用して血糖値に基づいた助言を行っていくという、二つのパイロットプログラムを検討している。

なお、ニューヨーク市保健局によると、市内でおよそ98万7000人が糖尿病を患っており、そのうち19%は、疾患にいまだ気付いていないという。


クイーンズ

ひき逃げで男性死亡 複数台にひかれる

先月25日早朝、クイーンズ区ウッドヘイブンの道路で、複数の車にひかれたと見られる男性の死体が発見された。同日付ABC7ニューヨークが伝えた。

午前5時20分ごろ、ウッドヘイブン・ブルバード南行き車線の91アベニューで、近所に住んでいた56歳の男性の死体が見つかった。NYPDによると、死体の一部は切断されており、複数の車にひかれ、引きずられたことを示唆しているが、それらしい車は現場に見当たらなかった。男性と同じアパートの住民の1人は、男性はインド出身で、半年程前に地下の部屋へ引っ越してきたと語った。

事件の数時間後には、NYPDの捜査から男性をひいたと見られる車両が別の場所で発見されたが、ドライバーは見つからなかった。先月25日の時点で、逮捕者は出ていない


マンハッタン

2700人の雇用削減 MTA理事会が承認

巨額の赤字に直面するMTAの理事会は先月24日、最大2700人の人員削減を含む経営改革案を10対1で承認した。同日付PIX11が伝えた。

改革案は、第3者コンサルタントの支援の下に策定されたもので、業務の一部統合で数部門を再編し、1900〜2700人の人員削減を見込んでいる。

MTAによると人員削減の大半は、退職や人員補充をしないことで実施可能だという。赤字が2021年までに8億ドルに達すると見込まれているMTAは、同改革案の実施により、年5億3000万ドルの経費削減が可能とみられている。

コスト削減や業務合理化を図らない限り、MTAはサービス縮小、人員削減および大幅な運賃・通行料値上げを強いられる。一方、マンハッタン区中心部の商業地区で21年から施行される渋滞税も、経営改善に貢献するとみられている。

理事会の一部では、改革案への懸念が表明されたが、MTAのパット・フォイエ総裁は、再検討・協議を引き続き行うと語った。


ブルックリン

税金未払いで閉店 レインボーベーグル店

虹色の「レインボーベーグル」が人気の、ブルックリン区ウィリアムズバーグにある「ザ・ベーグル・ストア」が、税金未納のためニューヨーク州税務当局に差し押さえられ、今月1日現在も閉店している。先月25日付ゴッサミストが伝えた。

公文書によると、州税務当局は5月23日、計12万8000ドル超の税金未納のため、同店に差し押さえ令状を発行。同店はシャッターが下ろされ、現在も差し押さえ令状3通がテープで貼られている。

同店が数年前から売り出した「レインボーベーグル」は、ソーシャルメディアを通して急速に人気が沸騰。2016年に一時閉店した際には、供給難がその理由とされた。同店経営者のスコット・ロッシロさんは、営業を再開する決意を地元メディアに語り、今回の閉店前には、同区パークスロープへの移転を計画していたと述べた。

今年に入ってから、マンハッタン区のビストロ「カフェ・ループ」や、「グリマルディーズ・ピザ」など、人気店が、税金未納のため閉店や差し押さえの処分を受けている。


ブルックリン

銃撃事件複数発生 ブルックリン区公園で

先月24日夜、ブルックリン区ベッドフォード・スタイベサントで銃撃があり、公園に座っていた13歳の少女が流れ弾に当たって重傷を負った。先月25日付PIX11が伝えた。

NYPDによると、少女は同地区ハーキマーストリートとセント・アンドリュース・プレースの角にある公園のベンチに座っていたところ銃声が聞こえ、左肩に焼け付くような痛みを感じ被弾したことに気が付いたという。少女はすぐに付近の病院へ搬送され、重症だが回復する見込みだという。NYPDは、銃撃が少女を狙ったものとはみていない。

市内では6月初旬以降、11人が流れ弾に当たっており、その内5人が子供だった。高齢女性2人や、脊椎に被弾した11歳の少年、マンハッタン区ハーレムで犬を散歩中の男性も流れ弾の被害を受けている。

また、先月27日深夜にもブルックリン区ブラウンズビルで、イベント中の公園内で、乱射事件が発生した。1人死亡、11人の重軽傷者が確認されている。NYPDによると、どちら事件の容疑者もいまだ拘束されていない。


クイーンズ

駅で不審物発見 安全が確認される

先月26日朝、クイーンズ区オゾンパークを走行中の地下鉄に飛び込んだ男性の手荷物から不審な包みが発見されたが、その後、安全が確認されたことをNYPDテロ対策部門がツイッターで発表した。同日付PIX11が伝えた。

NYPDによると、同日午前6時45分ごろ、地下鉄Aラインの80ストリート=ハドソン駅で、68歳の男性が地下鉄車両に飛び込んだという。男性は重傷を負い、付近のジャマイカ病院に搬送された。

当局が地元メディアに語ったところによると、現場に捜査官が到着した時、男性のバックパックからは、魔法瓶、セロハンに包まれた物体、ワイヤ付きの管が発見されたため、NYPDの爆発物処理班が派遣された。調査後に安全が確認されたが、当局の捜査の間、地下鉄Aラインはユークリッドアベニュー駅からレファーツ・ブルバード=ハワード・ビーチ駅間で運行が一時停止。しばらくしてから運行は再開されたが、同線の遅れが生じ、通勤客などの足に影響が出た。


ブロンクス

マーベル生みの親 通り名がまもなく誕生

ブロンクス区出身の漫画原作者、スタン・リー氏の名前を冠した通りが、同区に近く誕生することになった。同氏はアイアンマンやスパイダーマン、ハルクなど、マーベル・コミックスのスーパーヒーローたちの生みの親として知られ、昨年11月に95歳で死去した。先月24日付NBCニューヨークが伝えた。

同区選出のフェルナンド・カブレラ市議会議員によると、ユニバーシティーアベニューのブランドプレースと西176ストリートの間の通りを「スタン・リー・ウェー」と命名することを市議会に提案し、先月23日に承認された。

同議員は、リー氏が育った地区は自分の選挙区だと述べ、「スパイダーマンやXメン、ハルク、ブラックパンサーなどのスーパーヒーローたちを共同で生み出し、創造力に富んだ天才だったリー氏の素晴らしい才能は、数え切れないほどの子供たちと大人たちに対し、喜びや楽しみをもたらしました。リー氏は故郷のブロンクスに、恒久的に残されるのにふさわしい」と語った。


マンハッタン ### 自転車安全計画を発表 ニューヨーク市長

ニューヨーク市のビル・デブラシオ市長は先月25日、サイクリストの安全を守るため、5840万ドル規模の安全計画を発表した。同日付ABCニューヨークが伝えた。 市内全域において、安全が確保された自転車専用道路を設置し、交差点での右左折をより安全にするためのデザイン変更を行う。また、職員80人を新規雇用する。 道路整備のペースを年平均32キロ分から48キロ分に増やし、青信号のタイミングを調節する「グリーンウエーブ」計画も拡大。さらに、自転車専用道路が比較的少ないブルックリン区とクイーンズ区で、死傷者の出る自転車事故が多数発生した10地域を、「自転車優先地区」に指定。選出は、クイーンズ区コロナ、イーストエルムハースト、ジャクソンハイツ、ブルックリン区ベイリッジ、ミッドウッド、シープスヘッドベイ、ブラウンズビルの10カ所。 **

ブルックリン ### レストラン再開へ タイムアウトマーケット

ブルックリン区ダンボで、保健精神衛生局の衛生検査に違反し先月10日から営業を停止していた「タイムアウトマーケット」が再開した。先月24日付パッチが伝えた。 同マーケットでは、先月10日の衛生検査に違反した21軒のレストランのうち、14軒が先月27日から営業を再開する。衛生検査で違反点数が13点以下のレストランはAグレードを取得。再開する14軒は、今回違反点数が0点または10点以下だった。 食品医薬品局(FDA)では、肉や魚などを保管する冷蔵庫の温度はカ氏41度以下と定めているが、同マーケットの共有冷蔵庫の温度は規定よりも17度も高い58度だった。冷蔵庫の問題で最大の違反点数102点を記録したのはビーガンレストランの「ブルックリン・ワイルド」だった。 保険精神衛生局によると、同マーケットは、冷蔵記録を提出しておらず、同局は記録を保存していなかったか、または食品貯蔵の適切な温度を知らなかったためとみている。 **

マンハッタン ### 99セントのスニーカー 若者殴られ発売イベント中止

マンハッタン区ローワーイーストで18日、ポップアップイベントで販売する99セントのスニーカーを求め集まった人々が暴走し、NYPDが出動した。19日付ABC7が伝えた。 当日は午前11時からアディダスとアリゾナ・アイスティが共催で、99セントのスニーカーを販売する予定だった。スニーカーを求めて前日から泊まり込む人もおり、午前9時ごろには数百人が雨の中、長蛇の列を作った。 NYPDによると、列に並んだ17歳の少女がボトルで強打され、15歳の少年が顔面を殴打されたが、両方の事件で逮捕者は出ていない。 また別件では、21歳の男性が群衆の上にドローンを飛ばした他、43歳の男性が治安びん乱行為でそれぞれ拘留された。 同イベントはNYPDに通知されておらず、安全対策が十分でなかったと指摘する参加者もいた。 この騒動により主催者は、19日と20日に開催予定だったイベントの中止を決定した。 **

ニュージャージー ### 警察が5年ぶり発砲 男性1人負傷

ニュージャージー州ウォーレン郡で先月25日、ワシントン・タウンシップで警官が男を撃ち、負傷させた。同日付NJドットコムが伝えた。 ワシントン・タウンシップ警察署は、人口およそ1万5600人のワシントン・ボローおよびオックスフォード・タウンシップを管轄。州全体の警察の報告書を分析した『フォース・レポート』によると、同警察署の警官が勤務中に発砲したのはこの5年間に一度もなかった。 この事件が、ニュージャージー州司法長官による射撃対応タスクフォースによって再調査されるかどうかは未定。再調査されれば、ウォーレン郡でこの2年間で3度目の警官が関与した発砲事件となる。 一方、ニュージャージー州警察は昨年6月、ハードウィック・タウンシップで一週間以内に2度の致死的な銃撃戦に関与。1件目の高速でのカーチェイスを経た発砲事件は調査が完了しているが、同事件の4日後に州警察官がスティーブン・コゲリアさんを射殺した事件は、再調査中である。 **

マンハッタン ### 流星群を観測 目撃情報相次ぐ

米気象学会は、米北東部で先月24日夜、流星群が目撃されたと発表した。翌25日午後までに、361人による目撃例が同学会に報告され、うち13人はニューヨーク市で目撃した。先月25日付パッチが伝えた。 流星群は、南はノースカロライナ州、北はメイン州まで目撃され、ニュージャージー、マサチューセッツ、ニューヨーク、ロードアイランドの各州で多く見られた。米気象学会によると、市内では、ブロンクス区以外の全域で目撃され、約3・5秒しか流星を見ることができなかったが、アマチュア観測家らは、の情報を、驚きと共に同学会に報告した。

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