「べしゃり暮らし」矢本悠馬が叫ぶ!?「役者はいただいた役にハマりにいってるんです!(笑)」

「べしゃり暮らし」矢本悠馬が叫ぶ!?「役者はいただいた役にハマりにいってるんです!(笑)」

単行本累計発行7500万部以上の大人気漫画家・森田まさのり氏が描く渾身の作品にして、初の映像化となるドラマ「べしゃり暮らし」(テレビ朝日系)。同ドラマに、子安蒼太役でご出演の矢本悠馬さんをインタビュー。先日の記者会見でうっかり(!?)お子さんが生まれたことを発表し、パパになった矢本さんが語る“高校生”役の大変さとは一体…?

──矢本さん演じる子安はどんな人物なのでしょうか。

「とにかくお笑い好きで、ラジオ好き。上妻圭右(間宮祥太朗)と放送部をやっています。そこに辻本潤くん(渡辺大知)がやって来るんですけれど、彼らの出会いの瞬間にいるというやつですね。ストーリーテラーというか、視聴者と近い役どころですね。2人の成長をそばで見守る、客観性の強いキャラクターなんだと思います。子安本人でいうと、自分も(お笑い)プレーヤーになりたいという部分があったり、お笑いの仕事がしたいという部分があるけれど、家の事情でそれをあまり良しとは思われていないんです。そこへの葛藤を持ちつつも、2人を応援し続けるのが子安です」

──主演の間宮さん、渡辺さんが「子安は矢本くんだ!」と絶賛するくらいハマり役だったと思うのですが…。

「見た目は自分でも小柄で、童顔でっていうのは(子安に)ハマっているかもしれないけれど、内面は違いすぎるんじゃないかな。ハマり役というのもちょっと分かんないです(笑)。自分で『ハマったな!』と思うことはないですよ。だって、役者はいただいた役にハメにいってるんです!(笑)。だけど、ハマり役と言ってもらえるところまで持っていけたのは良かったのかなと思います。そういう評価がもらえることは素直にうれしいです」

──矢本さんが感じる子安の魅力はどんなところですか?

「好きなものへの探求心はすごいですよ。たった一つ、彼の好きなものがお笑いで、お笑いオタクなわけじゃないですか。オタクっていう言葉は僕の中ではとても大事で、リスペクトしているんですけれど、一つのものをあれだけ追い回せるエネルギーってすごいなと思います。そこが魅力かな~」

──矢本さんがオタクになれるものはあったりしますか?

「僕、マーベルコミックが大好きなんです。オタクって、人を引かせるのがうれしいみたいなところがあると、僕は思っているんです。僕も相当フィギュアを持っていますし、マーベルに対する嗅覚は強いんですよ! そういうところは子安と唯一似ているところかもしれませんね。最近はスニーカーにもハマりだしちゃって、お金がかかる趣味ばかり!(笑)」

──私は矢本さんの話を聞いて、すてきだなと思いました!

「お笑いはテレビを見て楽しいと思えたり、ラジオを聞いて楽しくなったりと、人生にとても影響を与える娯楽の一つですよね。お笑いって、日本でも何回もはやりが来ているコンテンツだからこそ、子安が“お笑いオタク”だと誰からも認められるのってすごいなと思いましたね。多くの日本の人はお笑いが好きだと僕は思っているから、『こいつは本物だ!』と思わせる子安はあらためてカッコいいなと思いますね」

──子安を演じるうえで意識したことはありましたか?

「とにかく若く見せなきゃな、というのは大前提にありましたね。結婚もして人の親になって、知名度も上がってきて年齢もバレているんで…(笑)。おじさんが学生服を着ているなと思われたらまずいなと思って、とにかく若く見せることばかり考えていました!」

──若く見せるためにやったこと、具体的に聞いてもいいですか?

「早く寝て、睡眠をよくとることですかね。疲れてくると老けるんですよ(笑)。だから、よく寝てよく栄養をとってというのは意識しましたね。そして、なるべく笑顔を多めに見せることも意識的に挑みましたね。子安は、若さを出しづらい役なんですよ。あんまり動けないし、地味なんで。本当に若く見せることが難しかったですね。でも、(学生役の)みんながいてくれれば成立するかなと思ってました」

──若さを見せるために努力された学生役ですが、制服に袖を通した時のお気持ちはいかがでしたか?

「(食い気味に)嫌だなあって感じですよ(笑)。(しみじみと)もう無理だなあって…。本当に『べしゃり暮らし』の撮影の前の日は眠れなかったんです。高校を卒業して大学生パートになってからは気持ちよく眠れたんですけれど、高校生のパート…特に初日の前日は一睡もできませんでした。『どうやったら高校生に見えるんだよ!』って感じでしたね。さすがにもう、自分の制服姿は限界ですよ。青春ドラマで高校生役を演じるのは、この『べしゃり暮らし』が最後かなと個人的には思っています(笑)」

──矢本さんの制服姿はこの作品で見納めになってしまうかもしれないと…?

「そうですね…。(自分の)見た目が若いから、制服を着た自分を鏡で見ても『若いな』って思っちゃうんですよ。この仕事をしているというのもあるかもしれないけれど、どんどん内面が老けていくからもう無理だなと。『このセリフ言えない!』って何回家で練習してもリアリティーが出なかったり、この見た目に合ってなかったりして…。純粋に自分が演じられる若い部分は使い果たしたかなと思いました。コメディーならいいんですけれどね! (しみじみとした感じで)青春ドラマはもう限界を感じましたね~。この作品で視聴者の皆さんをだまし切れれば悔いはないです!」

──以前、同じ学生役の堀田真由さん(インタビューは後日公開予定)が、現場がとても楽しいとおっしゃっていたのですが、矢本さんから見た現場の雰囲気はいかがでしたか?

「現場の雰囲気はいいんじゃないですかね。遅い日があったり、次の日朝が早いとかがなく、割と充実して余裕をもったお芝居をさせてもらっています。(演出の)劇団ひとりさんご自身もプレーヤーなので、役者のメンタル部分に気を使ってくださっているのを感じました。演じる時に大変なシーンはテイクを重ねたり、リハーサルをせずに一発本番でやったりして。役者に優しい現場ですね」

──クランクアップしたら、ご自身にどんなご褒美をあげたいですか?

「いつも“終わる”のがご褒美ですね。僕、作品が終わるのが好きなんですよ。一つゲームをクリアできた感じと言ったら分かりやすいですかね。自分で言うのもなんですけれど、今回もいい仕事したなと、この作品を良くするためにできることは全部できたかなと思っています。この記事が出る頃には撮影は終わっていますが、今は今回もすがすがしい気持ちでクランクアップできるのではないかなと。まあ、作品が終わるたびに自分にご褒美あげていたら貯金できないですよ!(笑)」

──野暮なことを聞いてすみませんでした…!

「いやいや(笑)。僕もお笑いが好きだし、役者だけやっていると芸人さんとか他の仕事をされている方に会えないんですよ。だから、ひとりさんと一緒に仕事ができたことや、原作が大好きだったので、その作品に出られたことは財産になりましたね。この作品出演がご褒美かな」

──では、最後に楽しみにしている視聴者の皆さんに一言お願いいたします。

「題材が漫才となるとコメディードラマになるのかなと思いつつ、内実は青春ドラマです。『べしゃり暮らし』の2人が、漫才師として成長していく中で友情だとか相方、家族、先輩、恋愛とかいろいろな壁にぶつかっていきます。そうした中で、何が面白いのか、どんなものが笑いにつながるのかという2人のお笑いに対するストイックさとか、そういう人間ドラマな部分が見どころになってくるんじゃないかなと。僕や彼らもだけれど、他の漫才師たちの物語もいい話ばかりで、見どころの一つになっていると思います!」

──ありがとうございました!

もしかしたら、青春ドラマの制服姿はこれで見納めかもしれない矢本さんの高校生の姿。しっかり目に焼きつけたいですね。今夜、第2話放送! お楽しみに!!

【プロフィール】


矢本悠馬(やもと ゆうま)
1990年8月31日生まれ。京都府出身。劇団無所属で演技未経験であったが、主人公の弟として2003年に映画「ぼくんち」で子役デビュー。15年「ブスと野獣」(フジテレビ系)で連続ドラマ初主演を果たした後、「ゆとりですがなにか」(日本テレビ系)、「仰げば尊し」(TBS系)、「今日から俺は

【番組情報】


「べしゃり暮らし」
テレビ朝日系
土曜 午後11:15~深夜0:05

テレビ朝日担当 Y・O
撮影/蓮尾美智子

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