交流人口拡大へ決意 MICE起工式で長崎市長ら

MICE施設の起工式でくわ入れする関係者=長崎市尾上町

 長崎市が2021年11月に開業予定のMICE(コンベンション)施設の起工式が2日、整備予定地であるJR長崎駅西側の尾上町であった。市民の賛否が割れた市の目玉事業がついに形になる。建設、運営を担う特定目的会社(SPC)「ながさきMICE」の岐部孝典代表取締役と田上富久市長は、それぞれ交流人口拡大へ決意を示した。

 施設は公設民営。鉄骨造り地上4階、地下1階、延べ約2万5千平方メートル。3千人規模の国際会議や大会などMICEに対応できるホールをはじめ、展示場、大小24の会議室を備える。隣接地では高級ホテル「ヒルトン」、NBC長崎放送の新社屋が民間開発される。

 起工式は、九電工やMICE専門業者コングレなどが出資するながさきMICEが開き、工事や県、市の関係者ら約130人が出席した。岐部氏は、市内の“二つの世界遺産”や22年度に暫定開業予定の九州新幹線長崎ルートなどを追い風に「交流人口拡大と経済活性化の一端を担いたい」とあいさつ。田上市長も「産学官連携のオール長崎によるMICEの誘致、受け入れが必要だ」と強調した。

 施設の総事業費は216億円。年間のMICE開催件数775件、利用者61万人、経済波及効果114億円を見込んでいる。全国スーパーマーケット協会の千人規模の全国大会など既に開催が決定・内定している案件もあるという。

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