ポストシーズンに向けて 8月中に可能な戦力補強の手段とは

メジャーリーグでは、日本時間8月1日午前5時をもってトレードによる補強の期限を迎え、今後はワールドシリーズ終了までトレードによる補強が不可となっている。2017年にジャスティン・バーランダーがタイガースからアストロズに移籍してワールドシリーズ制覇に貢献したようなストーリーを目にすることはないわけだ。しかし、他球団からの選手の獲得が完全に不可となったわけではない。MLB公式サイトのマーク・フェインサンドが8月中に可能な戦力補強の方法について説明している。

まず重要なのは、マイナー契約の選手をトレードするのは禁止されていないということだ。ただし、今季1度もメジャーに昇格していない選手に限られる。捕手、投手、遊撃手といった人材不足に陥りやすいポジションや、ポストシーズンの戦いにおける「代走の切り札」などは、「メジャー経験があるマイナー契約の選手」によって補強が行われる可能性がある。フェインサンドは、他球団からの関心を集める可能性がある選手としてジェット・バンディ(レンジャーズ)、レネイ・リベラ(メッツ)、ヘクター・ノエシ(マーリンズ)、フェルナンド・アバッド(ジャイアンツ)、ピート・コズマ(タイガース)、シェーン・ロビンソン(フィリーズ)といった名前を挙げている。なお、ルスネイ・カスティーヨ(レッドソックス)のように、今季1度もメジャーに昇格していないもののメジャー契約を有する選手はトレードできない。

続いて、ウエーバーによる移籍の可能性もある。昨年までのようにウエーバーを利用したトレードは禁止されてしまったが、ウエーバーにかけられた選手を他球団がクレームすることは可能だ。ただし、この場合は該当選手の残り契約を全て引き継ぐことになる。また、現所属球団からDFAされ、ウエーバーを通過した選手はマイナー降格を命じられることになるが、メジャー在籍日数が5年を超えている選手は、これを拒否してフリーエージェントとなることができる。もちろん、フリーエージェントとなれば他球団と自由に契約可能である。先日、レンジャーズからDFAとなったアズドゥルバル・カブレラはフリーエージェントとなったあとに他球団へ移籍する可能性がある、とフェインサンドは指摘している。

最後に、可能性は低いものの、日本、韓国、米独立リーグといった他リーグからの戦力補強も可能である。特に米独立リーグのチームには、メジャー経験のある選手が多数在籍している。フェインサンドは、米独立リーグからメジャー復帰の可能性がある選手として、イゼキエル・カレーラとT.J.リベラの名前を紹介している。

ポストシーズンのロースターに登録可能な選手は、原則として8月31日(現地時間)までにロースターに追加されている選手に限られる。8月末までの残り1ヶ月の間に、各球団はどのような動きを見せるのだろうか。

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