原爆殉難教え子と教師の慰霊式 450人が献花、誓い 平和の尊さ語り継ぐ 長崎市平和会館

原爆で犠牲者となった児童生徒や教員らに献花する子どもたち=長崎市平和会館

 長崎原爆で犠牲になった児童生徒と教職員を追悼する「原爆殉難教え子と教師の慰霊式」が2日、長崎市平和会館(長崎市平野町)であり、小中学生や教員ら約450人が祭壇に花や折り鶴をささげ、平和の尊さを語り継ぐことを誓った。

 慰霊式は、校長会や教職員組合などの有志が1982年8月3日に「原爆殉難教え子と教師の像」を平和会館前に建立したのをきっかけに始まった。式を主催する像の維持委員会(小田恒治委員長)は、児童生徒5317人、教職員212人の計5529人の名前を碑に奉安している。

 長崎市立西北小の児童が合唱を披露した後、長崎に原爆が投下された午前11時2分に全員で黙とう。児童生徒を代表し市立山里中3年の三吉鈴音さん(14)が「(同校の合言葉)『平和は山里から、日常の平和から』という思いをしっかり受け継いでいきたい」と述べた。

 旧制県立瓊浦中1年だった12歳の時に爆心地から1.6キロの船蔵町(当時)で被爆した六田正英さん(86)は被爆教職員を代表して「今も碑の前に立つと、あの日殉難した人たちの声が聞こえてくるようだ。あの惨事を決して忘れず、核の怖さ、平和の尊さを語り継ぐことを誓う」と述べた。

 その後、長崎市立西浦上小の児童と長崎商業高の生徒が折り鶴をささげ、参列者全員で献花した。

© 株式会社長崎新聞社