日ハム杉浦「首脳陣がプランを…」首位攻防戦で5回無失点も予定通り抹消へ

日本ハム・杉浦稔大【写真:石川加奈子】

ホークス千賀との投げ合いで5回3安打無失点「本来なら白黒をつけてというところかもしれませんが」

■ソフトバンク 2-0 日本ハム(2日・札幌ドーム)

 日本ハムの杉浦稔大投手が2日、本拠地ソフトバンク戦に中16日で先発。5回3安打無失点と好投したが、0-0で降板したため、勝ち負けはつかず。チームは千賀滉大投手に2安打完封負けした。

 球界を代表するエースとの投げ合いに、一歩も引けを取らなかった。1、2回と3人ずつで片付けると、3回に先頭の江川に中前打を許した直後には栗原を二ゴロ併殺打に打ち取った。5回に2本の安打でむかえた2死一、二塁のピンチも栗原を143キロの高め直球で中飛に仕留めた。

「大事な試合でしたし、相手もエースなので、先取点を取られたら一気に苦しくなる。とにかく先取点を与えず、少しでもチームが勝てるチャンスをつくることに集中しました」と振り返った杉浦。0-0と息詰まる投手戦の中、今季最長に並ぶ5回、65球でマウンドを降り、2番手の堀瑞輝にバトンを渡した。

3日に出場選手登録抹消へ「監督から『行ってくれ』と言われたところで」

 先発投手としての本能で続投の準備はしていたという。「ああいう展開でしたし、本来なら白黒をつけてというところかもしれませんが、今年は首脳陣がプランを持っていたので、監督の判断です」と役割を全うした後はベンチでチームの勝利を願った。

 チームは敗れたものの、杉浦自身には得るものがあった。「ここ最近、少し不完全燃焼が続いていましたが、首位攻防戦に投げさせてもらって、意気に感じました。球速はそこまで出てなかったですが、質は自分が思うような球をしっかりコントロールできていました」と手応えをつかんだ。

 今季初登板となった4月23日楽天戦(札幌ドーム)では5回を打者15人パーフェクトに抑える衝撃の投球を見せた。故障明けの右肩のコンディションを考慮しながら、中10日以上の間隔を空けて登板し、5月6日西武戦(札幌ドーム)は5回無失点、同23日楽天戦(札幌ドーム)は5回1失点と好投。だが、その後の4試合は5回もたず、複数失点して降板していた。この日の好感触に「こういう結果を続けていきたい」とうなずいた。

 3日には当初の予定通り、出場選手登録を抹消されるが、シーズン終盤の大事な時期に入り、今後は登板間隔が縮まることも想定もしている。杉浦は「監督から『行ってくれ』と言われたところでしっかり準備をします」と表情を引き締めた。(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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