“高校生検察官”熱弁 模擬裁判選手権 長崎県予選 長崎南山初V、本選へ

検察官役として犯行状況の再現などをする高校生=長崎市興善町、市立図書館多目的ホール

 高校生による「模擬裁判選手権」の本県予選が2日、長崎市立図書館多目的ホールであった。今年は過去最多の6校が出場し、生徒たちが検察官役として熱弁を振るった。裁判官らによる審査の結果、長崎南山高が初優勝。本選で佐賀代表と対戦する。
 法曹の仕事を身近に感じてもらうことを目的に、県弁護士会が長崎地裁、長崎地検の協力を得て、2015年に初開催。翌年からは佐賀県弁護士会とも連携し、予選を勝ち抜いた両県の代表校が本選で対戦している。
 今年の本県予選には、純心女子、長崎南山、青雲学園、長崎東、佐世保北、佐世保南の計6校が参加。生徒たちは各校に派遣された弁護士と検察官から事前に指導を受けた。
 模擬裁判は、父親の頭部をガラス製灰皿で殴って殺害したとして20代の息子が起訴されたが、容疑を否認し、目撃者など直接証拠もない-という設定。各校は、灰皿に残った指紋の付き方や親子の関係性、犯行時刻ごろに両者の言い争う声を聞いたという隣人の証言などを基に動機や犯行状況を説明。それぞれ「10年」「20年」と求刑した。
 裁判官、弁護士、検察官ら5人の審査員や観覧者が主張内容やパフォーマンスを審査。優勝した長崎南山高2年の濱田和史さん(17)は「証拠に基づいた主張をいかに分かりやすく伝えるかを意識した。準備を頑張ってきてよかった」と喜びを語った。
 本選は23日、佐賀地裁で開かれ、長崎南山高が弁護人役、佐賀代表が検察官役を務める。

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