【U-12W杯】韓国に劇的勝利で初の決勝進出 侍・仁志監督は選手を称賛「劣勢を跳ね返した」

韓国相手にサヨナラ勝利を収めた侍ジャパンU-12代表の選手たち【写真:Getty Images】

メキシコには敗れて初黒星、決勝では地元チャイニーズ・タイペイと対戦

 侍ジャパンU-12代表は3日、台湾・台南市で行われている「第5回 WBSC U-12ワールドカップ」で、前日に1-4の3回途中で雨天サスペンデッドとなっていたスーパーラウンド第2戦・韓国戦に挑み、8-7で逆転勝ちした。仁志敏久監督は試合後に「劣勢を跳ね返したのはすごくよかった」と“小さな侍”たちを称えた。

 2日の試合は、3点ビハインドの3回途中に雨天サスペンデッド。3日にダブルヘッダーで行われることが決まったが、これが日本に有利に働いた。3日、韓国は日本戦再開の前にキューバとスーパーラウンド第3戦を行い、8-10で逆転負け。さらに、前日に打線が苦しめられた先発左腕が連投制限のルールによって降板となった。

 3回は1死走者なしから無得点に終わった侍ジャパンだったが、4回から反撃する。2死から川下晃汰(諫早ボーイズ)の内野安打、桑元信祐(ガッツ鹿児島)の死球で一、二塁のチャンスを作ると、坂本慎太郎(松戸柏リトルリーグ)の右中間を破る2点二塁打で1点差。5回には1点を追加されたが、2死から今井蓮(大阪八尾ボーイズ)の内野安打、生田目博之介(越谷リトル)の左前打、川下の四球で満塁。ここで桑元が左前に2点適時打を放ち、試合を振り出しに戻した。

 6回は5番手の高橋昇聖(北上ゴブリンズ)が無死二、三塁のピンチを切り抜けたが、打線も無得点で無死一、二塁からスタートするタイブレークの延長戦に突入。7回表に2点を失うも、その裏に相手の暴投で無死二、三塁とチャンスを拡大。先頭・高橋の右翼への2点適時打で一気に同点とすると、今井、青木朔真(筑後ボーイズ)も連打で続き無死満塁。最後は川下の一ゴロで三塁走者の高橋が生還し、劇的サヨナラ勝利で悲願の世界一へ初の決勝進出を決めた。

 仁志敏久監督は「昨日は1回負けたようなものですから」とサスペンデッドで流れが変わったと振り返った。さらに「1回劣勢になってそれを跳ね返したのはすごくよかったと思います」と大逆転で重要な試合を制した選手たちを称賛した。

 ダブルヘッダーで行われたメキシコとのスーパーラウンド第3戦では3-8で敗れて初黒星を喫した侍ジャパン。4日の決勝では地元チャイニーズ・タイペイと対戦する。悲願の世界一まであと1勝に迫っている。(工藤慶大 / Keita Kudo)

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