見学に行列、「心配」の声も 横須賀基地、オスプレイ展示

展示を終え、米海軍横須賀基地を離陸するCV22オスプレイ=3日午後2時57分

 米海軍は3日、横須賀基地(横須賀市)で開いた基地開放イベント「ヨコスカ・フレンドシップデー」で、米空軍のCV22オスプレイを地上展示した。県内で一般展示されるのは初めて。

 同基地や市などによると、展示されたのは、米空軍横田基地(東京都福生市など)に配備されているCV22の1機。午前8時2分に横須賀基地内のフットボール場に着陸した。飛来について、市に事前連絡はなかった。

 午前10時から午後2時半ごろまで展示され、機内見学に長蛇の列ができた。機体後部の扉に搭載する機銃は取り外されていた。

 午後2時57分、同基地を離陸。猿島や同基地付近の上空を2回旋回した後、飛び去った。横田基地に戻ったとみられる。

 離陸を見守った横須賀市内に住む30代の男性会社員は「離陸する際、機体がふらついて見ていて怖かった。音もすごく、騒音が心配」と話した。

 横須賀基地のリッチ・ジャレット司令官は報道陣の取材に応じ、展示について「長年続いてきた友好親善イベントの中で、米海軍にあるもの以外で多くの人を集めて楽しませるものはないかと考え、米空軍から協力が得られたので実施した」と説明。一方で、安全性を疑問視する声が国内でも上がっているとの質問には「多くの人に(展示を)楽しんでもらえたと考えている」と答えた。

 オスプレイの飛来や展示に対し、市民団体「非核市民宣言運動・ヨコスカ」は午前11時から1時間、京急線汐入駅前で抗議活動を行った。同団体の新倉裕史さん(71)は「オスプレイの事故率が一向に下がらない以上、周辺の自治体も安全が確保されているとは思えない。市議会などで議論する必要がある」と指摘している。

 また「原子力空母の横須賀母港問題を考える市民の会」の呉東正彦共同代表は「友好行事の名の下に、オスプレイの運用の既成事実を作ろうとするもので、問題のあるものと言わざるを得ない」とのコメントを出した。

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