IR全国の誘致状況 宮城県や北九州市にも動き

 昨年7月にIR整備法が成立し、国内でのカジノ整備が可能になった。整備区域は、希望する都道府県や政令指定都市が事業計画を提出し、国が経済効果などを評価して最大3カ所を選ぶ。国は地方創生の起爆剤と位置付け、2020年代半ばの開業を目指している。
 現在、本県のほか、大阪府・市、和歌山県の3カ所が計画の認定申請をする意向を示している。準備は大阪府・市が先行しており、大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)(約49ヘクタール)に整備する方針。府によると、この春にコンセプトを募集。8~10月ごろに国内外の7事業者と個別に話し合う。今年秋ごろにIR整備を手掛ける事業者の公募を始め、来年春に選定する見通し。
 このほか、北海道や東京都、横浜市なども認定申請をするかどうか「検討中」。宮城県は7月、仙台空港周辺を想定した誘致の可能性を探る調査を始めた。北九州市や静岡県牧之原市でも民間から整備を求める声が出ている。
 国は、この夏に予定していたカジノ管理委員会設置や基本方針の公表を先送りする考え。このため、誘致を目指す自治体が実施方針を策定する時期も流動的になっている。全体の開業スケジュールが遅れれば、時間的な余裕が生まれ、ほかの自治体から参入の動きが出る可能性がある。

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