メクル第388号 生きもの大好き・長崎編「カブトガニ」

成体はつがいで行動。左がオス=佐世保市、海きらら

 約2億年以上前に地球上に出現(しゅつげん)した時から現在(げんざい)まで、ほとんど姿(すがた)、形を変えていないカブトガニは“生きた化石”といわれる。佐世保(させぼ)市の九十九島は西海国立公園として自然が守られ、えさとなる生物が暮(く)らす干潟(ひがた)も残っていて、国内でも有数の生息地。2005年に通常(つうじょう)より20センチも大きい日本最大のカブトガニ(メス、約80センチ)が発見されたことでも有名なんだって。
 実はカニの仲間ではなく、サソリやムカデに近い。足は12本。器用にアサリの身だけを食べることだってできる。長いしっぽのような「尾剣(びけん)」は、上に向かって90度近くまでピンと立ち、くるりと回して威嚇(いかく)する。裏返(うらがえ)しになってしまったときは、尾剣を使って起き上がることができるそうだ。
 大人になるまで10年以上かかるカブトガニは、脱皮(だっぴ)を繰(く)り返して成長を続ける。1回の脱皮で体が30%もサイズアップ! しかも、脱皮の回数で性別(せいべつ)が分かるという。「16回脱皮したらメス。オスは15回で脱皮が終わるので、メスの方が体が大きいんですよ」と担当(たんとう)の出耒真由美(できまゆみ)さん(32)。性別が分かるまで、そんなに時間がかかるんだねぇ。

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