ホークス千賀?日ハム有原?楽天松井は… 少し早いMVP予想【19年パ・リーグ】

(左から)日本ハム・有原航平、ソフトバンク・千賀滉大、楽天・松井裕樹【写真:石川加奈子、藤浦一都、荒川祐史】

オリックス吉田正が好成績もチーム低迷

 7月中旬には両リーグの勝者はソフトバンクと巨人で決まったかのような印象があったが、その半月後の両リーグのペナントレースは混とんとしている。このタイミングで、両リーグのMVPについて候補を挙げてみよう。

 MVPは単に好成績をあげた選手が受賞するわけではない。3冠王など球史に残る大記録を樹立した場合を除き、多くは優勝チームから選ばれるケースが多い。そしてシーズンフル出場して、総合的に貢献度が高かった選手がMVPになる。ポストシーズンの成績は考慮されない。

【パ・リーグ】

〇打者RC5傑 RC(RunCreate)は打者の総合指標安打、長打、四死球、盗塁、犠打、犠飛を加味

1.吉田正尚(オ)99試 352打109安 20本 61点 5盗 率.310 RC79.76
2.秋山翔吾(西)98試 397打120安 14本 41点 10盗 率.302 RC77.12
3.山川穂高(西)98試 366打 92安 31本 84点 0盗 率.251 RC73.05
4.茂木栄五郎(楽)97試 398打122安 10本 43点 7盗 率.307 RC71.26
5.浅村栄斗(楽)98試 368打102安 23本 58点 0盗 率.277 RC71.01

 オリックスの吉田が1位だが、オリックスは優勝に絡んでいないため、吉田がMVPを取る可能性は少ないだろう。打者では西武の秋山、山川、楽天の茂木、浅村。ソフトバンクのRC1位はデスパイネの62.68(リーグ12位)、日本ハムは西川遥輝の63.16(10位)。今後の打者の大奮起がない限り、この2チームが優勝した場合は現時点で打者以外から選ばれる可能性が高いだろう。

 昨年は西武の山川穂高がMVPに輝いたが、RC(126.51)はリーグ3位、1位は同じ西武の秋山翔吾(127.53)だったが、本塁打王のタイトルを得た山川に票が集まった。

〇先発投手PR5傑 PR(PitchingRun)は投手の総合指標:(リーグ平均防御率-投手の防御率)×投球回÷9で算出 現時点のリーグ防御率は3.92

1.山本由伸(オ)16登 6勝4敗 117.2回 106奪三振 率1.84 PR27.19
2.千賀滉大(ソ)18登 10勝4敗 127回 162奪三振 率2.27 PR23.28
3.有原航平(日)17登 11勝5敗 118回 121奪三振 率2.29 PR21.37
4.山岡泰輔(オ)18登 8勝3敗 121.1回 112奪三振 率3.34 PR7.82
5.二木康太(ロ)17登 6勝7敗 110回 100奪三振 率3.60 PR3.91

 先発ではオリックスの山本が傑出しているが、吉田正同様、オリックスからMVPが出るのは望み薄。ぶっちぎりの奪三振王であるソフトバンク千賀が有力か。日ハムが優勝すれば有原もMVP候補になっている。昨年は楽天の岸孝之(20.84)、西武の菊池雄星(14.91)の順だった。

ホークスVなら奪三振王の千賀が有力か?救援投手では楽天松井が好成績

〇救援投手PR5傑
1.松井裕樹(楽)48登 1勝5敗 29SV 7H 49.2回 率1.81 PR11.64
2.増田達至(西)43登 3勝1敗 15SV 6H 47.2回 率1.89 PR10.75
3.秋吉亮(日)37登 0勝2敗 18SV 6H 37.2回 率1.43 PR10.42
3.モイネロ(ソ)39登 1勝1敗 3SV 21H37.2回 率1.43 PR10.42
5.平井克典(西)53登 4勝1敗 0SV 21H57回 率2.37 PR9.82

 復活した楽天の松井が1位。続いて西武増田、日ハム秋吉の順。昨年は、楽天、青山浩二(11.09)、日ハム宮西(10.50)の順だった。

 現在のチーム順位は、ソフトバンク、日本ハム、楽天の順。ソフトバンクが優勝すれば、千賀がMVPに一番近いだろう。日本ハムの場合は有原か? 楽天は最多セーブ当確の松井ではないか。西武が優勝しない限り、今季のMVPは投手で決まりそうだ。もちろん、ペナントレースはまだ40試合前後あるから、ここから「差し馬」が出てくる可能性はある。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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