主力大量流出の鹿島アントラーズが勝ち続けられる理由

鹿島アントラーズは安部裕葵、安西幸輝、鈴木優磨の海外移籍が決まった。主力が一斉に抜けてしまうことになるが、そのような状況でも鹿島アントラーズが勝ち続けられる理由がある。

鹿島アントラーズは、常に日本代表選手が在籍しているJリーグ屈指のビッグクラブだ。最近はそのような主力選手が海外移籍することが増えてきている。しかし、3人もの主力が同時にチームを去るのことは、これまでなかったかもしれない。安部裕葵がスペインのバルセロナBへ、安西幸輝がポルトガルのポルティモネンセへ、それぞれ移籍することが決まった。そして続けて、鈴木優磨がベルギーのシント=トロイデンに移籍することが発表された。

鹿島サッカースタジアムにあるジーコ像。ジーコスピリッツは受け継がれている。

選手のステップアップと日本代表の強化を考えれば正しい選択だが、選手を所有する鹿島アントラーズにとってはかなりの打撃である。リーグ戦はもちろん、今シーズンは昨年のリベンジを狙うACL準々決勝も控えている。しかし、鹿島アントラーズはJリーグ開幕当時から20年以上受け継がれる「ジーコスピリット」を常に忘れない。8月30日に運営母体が日本製鉄からメルカリに変わることが発表されており、激変を迎える中にあっても、チームの軸が変わらないだろう。メルカリも伝統を受け継いでいく方針のようだ。今回の主力の大量放出が、戦力ダウンであることに違いはないが、それでも鹿島アントラーズは常勝軍団に相応しい若手選手を常に育成している。ゆえに常勝軍団であり続けるのが鹿島アントラーズだ。だからこそ、将来有望な選手のチャンスを潰すことなく、選手のチャレンジを後押しできるクラブでもあるのだろう。

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