「お金を増やす力」を高める方法は?身につけるべき知識と資産運用のベースづくり

人生100年時代という言葉が広まってから大分時間が経ちましたが、みなさんは人生100年時代を生き抜くために、日々努力はしていますでしょうか?

長寿化で問題となるのが「お金」と「働き方」。

国税庁の「民間給与実態統計調査結果」によれば、2017年の平均年収※は432万円、5年前の2012年の平均年収は408万円なので、24万円増となっています。ただし、10年前の2007年と比べると、平均年収は437万円と5万円減です。
※なお、この平均年収は、民間企業の従業員(非正規を含む)と役員の年収が対象です。

平成の終わりから令和にかけて、景気が良いと言われているのに、賃金の状況は決して良いとは言えません。将来的に平均年収が大きく上がる見込みは薄いでしょう。野村総合研究所の調査によれば、20年以内に、日本の仕事の約49%がロボットやAI(人工知能)に代替されると言われています。

このような時代を生き抜くためには、いつまでも働き続けられるスキル・能力・知識が求められます。また、健康、コミュニティ、お金なども大切です。要は「個の力」を高め続けなければなりません。筆者は「個の力」を『自分の価値』と呼んでいます。

特に、豊かな人生を送りたいなら、「金融リテラシー」と「お金を増やすベースライン」を上げることが必須と考えています。


人生を失敗したくないなら「金融リテラシー」の向上が必須

リテラシーとは本来「識字」(文字の読み書きができること)という意味ですが、そこから転じて、ある分野の知識やスキルを正しく活用する力、といった意味で使われるようになっています。

「金融リテラシー」とは、お金の知識・知恵を活用しながら人生を生きていく力です。日本ではこれまで、「お金の教育」が軽視されてきました。「お金は汚いもの」「お金の話なんてはしたない」「投資はギャンブルのようなもの」といった考え方は、いまも多くの人に根強くあります。

しかし、人生とお金は切っても切り離せない関係であることは、否定のできない事実です。金融リテラシーを身につけ、お金を守り、お金を増やしていくことは、単にモノがたくさん買えるようになるだけではなく、『自分の価値』を高め、豊かな人生を送るカギとなるのです。

たとえば、もしあなたがまったくお金をもっていなかったら、日々の生活が立ちゆかなくなって困りますよね。そこで、お金のために働く必要が出てきます。

ただし、長く仕事をしていくうえで、お金だけをモチベーションにしていると、仕事をする意義が感じられず、モチベーションもまた、どこかで途絶えてしまいます。そうなれば、『自分の価値』を上げることなど無理な話です。

その点、お金があれば、生活のために働くことから解放されます。すると、自分の得意な領域・好きな領域で仕事ができるようになるでしょう。『自分の価値』を活かして、本当にやりたい仕事を副業ベースではじめてもいいし、独立して起業するという選択肢も生まれます。

金融リテラシーは、こうした自由な働き方を手にするためにも必要な知識なのです。

正しい判断ができるように

同時に、金融リテラシーはお金について「正しい判断」をするためにも役立ちます。

もし、宝くじで3億円が当たったら何に使おう……なんて、誰でも一度は考えたことがあるはずです。しかし、いきなりポンとお金が手元に入っても、金融リテラシーがないとお金のパワーに振り回されかねません。

家族・親族間のトラブル、エスカレートする浪費、人生の目的喪失……「自分は大丈夫」と思っている人ほど危ないようです。
金融リテラシーがあれば、たとえ宝くじに当たっても、身を滅ぼすようなマネをする可能性は少ないのではないかと思います。

『自分の価値』を高めるために、お金はあったほうがいいでしょう。
しかし、ただお金があるだけでは自分の価値は高まりません。金融リテラシーがあれば、自分の価値を何倍にも高めることができます。そしてお金は、金融リテラシーのある人のところにおのずと集まってくるものなのです。

身につけておくべき金融リテラシー「3つの柱」

金融リテラシーとして身につけておくべきことはさまざまありますが、ここではその中から「とくに大切」だと私が感じていることを3つ紹介します。

第一に、家計のお金の動きをきちんと理解することです。毎月の収入と支出がいくらなのか、きちんと把握できていない人は意外に多いものです。お金を貯めたいなら、収入より支出を知ることのほうが大事です。無駄な支出がないか、確認してみましょう。

第二に、社会保険や税金などの知識を身につけ、うまくつき合うことです。これらは「払わないわけにはいかないお金」ですが、確定申告や各種届出をすることで、一度払ったお金を取り戻せる場合があります。「なんとなく難しそうだから」といって何もしないでいると、損をしているかもしれないのです。

第三に、貯蓄や投資について知り、お金自身に働いてもらうことです。貯蓄は計画的におこなわないと、うまくいきません。「生活費の余りを貯蓄」ではなく、「給料が入ったら先に貯蓄(先取り貯蓄)」とするだけでも、ずいぶんと変わります。ただし、お金を銀行に預金しておくだけではほとんど増えない時代ですから、投資が必要だと私は考えています。

人生の選択肢を増やすために「お金を増やす力」を高める

あなたは投資をしていますか? すでに投資している、そろそろはじめてみたい、興味はあるけどお金を失うのが怖い、難しそうでなかなか手が出せない……いろんな声が聞こえてきそうです。

読者の中には、いまは投資をしていなくても、投資自体には興味がある、という人はかなり多いと思います。なぜ、興味があるのか? その答えはズバリ、お金を増やしたいからでしょう。

筆者は大学4年生のときに株式投資をはじめ、いまではさまざまな種類の投資をおこなっています。投資をはじめた理由は、お金を増やしたいから。多くの人と同じ思いなのです。それが「お金の専門家」としての仕事にも役立っています。

投資をすれば、お金が増えることもあるし、減ることもあります。そして、いくら投資するかで、お金が増えたり減ったりするベースラインも変わります。投資というと、元手となるお金がある程度必要だと考える人は多いでしょう。そんなことはありません。いまでは100円程度の少額から投資が可能です。

でも、仮に100円が2倍になっても200円にしかなりません。当然、もし100万円投資していれば、2倍になれば200万円になっていたわけです。

投資で100円や1000円程度儲けても、お金持ちになることはできません。もちろん、減るよりは、増えたほうがよいのですが、ポイントは儲ける金額を増やして、「お金を増やすベースラインを上げること」なのです。

お金持ちになることが、絶対に正しいとはいいませんが、お金があると人生の選択肢がひろがることは事実です。突然の病気やトラブルなど、人生には思いもかけないさまざまなことが起こります。そんなとき、お金があると選択肢、つまりオプションが増えます。それは『自分の価値』が高いといえるのではないでしょうか。

100円、1000円の運用にとどまることなく、1万円、10万円、100万円、1000万円……と運用して、得られる金額を増やし(お金を増やすベースラインを上げて)、その環境に身を置くことで、大きな金額でお金を増やすのが当たり前にするのです。

筆者も、投資をスタートしたばかりのころは「1000円お金が増えた‼ 2000円儲かった‼」という世界で一喜一憂していました。しかし、それではお金はいつまでたっても大きく増やすことはできないと気づき、利益の金額を1万円台、10万円台……とすこしずつ、お金を増やすベースラインを上げていきました。ただし、投資はギャンブルではないので、欲にとらわれず、意識的にコツコツと利益を確定して積み上げるようにしています。

現在は、年間の運用益で1000万円を超えるようになりました。その内訳をこまかく見ると、1回の取引で数万円、数十万円、数百万円台の利益を上げているものがあります。もちろん、損も出ていますが、結果的に利益が損を上回っているという具合です。

まだ満足しているわけではありませんし、世の中には、もっと莫大な運用益をあげている人も多くいます。それでも、お金を増やすベースラインは着実に上がってきていると感じます。

お金を増やすベースラインを上げることをぜひ意識し、実践してみてください。それにより、『自分の価値』は高まり、自然とお金は増えていきます。とはいえ、私も志半なかば。一緒にお金と向き合い、お金を増やす楽しみを味わっていきましょう。

人生100年時代を生き抜くために『自分の価値』を高めよう

令和はまさしく「個の時代」。平成の時代では、SNS(Social Networking Service)の登場で、「個の力」を世の中に簡単にアピールできるようになりました。Twitter、Facebook、Instagram、YouTubeなどが代表的なものです。

とはいえ、SNS時代で活躍するには、『自分の価値』をどんどん高めていくことがきわめて重要です。SNSの投稿テクニックで一時的にちやほやされたとしても、自分の価値を高める努力を継続的にしていかなければ〝化けの皮〟はすぐに剥がれ、将来にわたり活躍していくことは難しいからです。

仕事と人生を極上にするために『自分の価値』という“最強の武器”を作っていきましょう。

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