第2の人生「カフェ」へ 箱根登山モハ1形107号譲渡式

府川社長(右)からブレーキハンドルを手渡された鈴木社長=小田原市入生田

 大正期から1世紀にわたって活躍した箱根登山鉄道の車両「モハ1形107号」の譲渡式が5日、同社の入生田車庫(神奈川県小田原市入生田)で行われた。来月からカフェの店舗として“第二の人生”を歩む車両の新たな門出を祝った。

 「吊(つ)り掛け駆動方式」のモハ1形103号と107号は7月に引退。107号は「鈴廣かまぼこ」(同市風祭)に譲渡され、カフェのイートインスペースとして9月上旬から利用される。

 セレモニーで箱根登山鉄道の府川光夫社長は「部品によっては100年たっているものもある長寿の車両。“嫁ぎ先”が決まりありがたい」とあいさつ。鈴廣かまぼこの鈴木博晶社長は「単なる箱でなく、多くの人の思いがしみ込んでいる貴重な存在。大切にしていきたい」と述べた。府川社長から鈴木社長に、107号で使われていたブレーキハンドルが手渡された。

 セレモニー後、車両を搬出できる強羅駅へ向かった。沿線の駅などでは、走行する最後の姿を収めようと鉄道ファンがシャッターを切っていた。

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