長崎新幹線「フル規格」 与党検討委 見解まとめる

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 九州新幹線長崎ルートで未着工となっている新鳥栖-武雄温泉(佐賀県、約51キロ)の整備方式を巡り、与党検討委員会は5日、東京都内で会合を開き「フル規格が適当」との見解をまとめた。山本幸三委員長が近く長崎、佐賀両県を訪れ、伝達したい意向。ただ佐賀県の山口祥義知事は同区間の新幹線整備そのものに反対しており、着工に向けた議論が進むかは不透明だ。
 会合は非公開であり、結論の中身については「両県に直接伝えたい」との山本委員長の意向で公表されなかった。山口知事は会合後、佐賀県庁で記者団に「中央から(新幹線を)押し付けられることはあってはならない」と述べた。
 関係者によると、フル規格に反対する佐賀県の立場を踏まえ、検討委は今後、国土交通省と長崎、佐賀両県、JR九州の4者による丁寧な協議の場を設置することを要請する。また、8月末にまとめる2020年度政府予算の概算要求に、整備に先立つ環境影響評価(アセスメント)の費用を盛り込むことを目指す。金額については具体的な額を示さない「事項要求」とする案も出ている。
 検討委は、導入予定だったフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)が車軸トラブルや高コストを理由に見送られて以降、フル規格と、在来線を改良するミニ新幹線の2案について議論してきた。フル規格が時間短縮効果や費用対効果に優れ、西九州全体の浮揚にも必要と判断した。
 国交省の試算によると、フル規格の建設費は約6200億円で、佐賀県の実質負担額は約660億円。長崎-博多の所要時間は現在の特急かもめに比べ約1時間短縮し、51分となる。
 長崎ルートは、3年後の2022年度に新幹線と在来線特急を武雄温泉駅のホーム対面で乗り継ぐ「リレー方式」で暫定開業することが決まっている。