“天才”小野伸二がJ2琉球へ サッカー界の「至宝」が沖縄にもたらすものは何か

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2016年1 月の沖縄キャンプで笑顔を見せる小野伸二選手=金武町陸上競技場

 天才と呼ばれ、世界の舞台でも活躍した日本サッカー界のスター・小野伸二がFC琉球でプレーすることが5日、明らかになった。J1では通算201試合に出場し29得点、J2では63試合で9得点し経験値は抜群だ。沖縄のサッカー界に与える影響は計り知れず、今季からJ2初参戦で現在5連敗と低迷中の琉球にとって「救世主」となるか。新天地・沖縄でのプレーにがぜん注目が集まりそうだ。

 経験豊富なMF小野伸二が、FC琉球や沖縄サッカー界にもたらすものは何か。クラブ側は「J1昇格へ導いてくれる」「沖縄サッカー界に貢献してくれる」などと、小野獲得の意図と期待を語った。

 倉林啓士郎会長は「今の琉球にとって戦力として頼もしい存在」と評価した上で、「日本サッカー界の至宝のプレーが沖縄で見られるのはFC琉球だけではなく、沖縄サッカーの歴史が変わる出来事」と強調。「キャリアだけではなく人間性も素晴らしい。J2で苦しむ琉球を再びまとめ上げ、選手たちに好影響を与えてくれる」とコメントした。

 三上昴社長は「サッカーを沖縄の文化にする、沖縄に熱狂を起こすというミッションを体現するため」と小野獲得の意図を説明。「目指しているのは他のサッカークラブではない。甲子園やエイサー、オリオンビールといった沖縄の文化と言える存在。小野選手は必ず沖縄のサッカーの発展のために貢献してくれる」と期待を寄せた。

高い経験値、攻撃が多彩に

■チームにもたらす小野効果

 Jリーグの公式スポーツライターでFC琉球の取材を日々続ける仲本兼進さんは、小野について「疑う余地のない日本サッカーへの貢献度を琉球に注入する効果は大きい」と語る。

 「異彩を放つテクニックはもちろん、攻撃陣をつかさどる役割も期待できる。経験値の高い選手だからこそ、チームにフィットするまでそう時間はかからないはず」と予想。

 琉球が掲げる「ボールをつなぐことでパターンをつくらず、個性ある選手間のアイデアを組み合わせてシュートまでつなげる」というアクションサッカーに「小野が加わることでさらに攻撃が多彩になるのでは」と期待する。

 プレーの特徴については「相手を引きつけてタメをつくることでFWはより攻撃に専念できるし、意外性のあるプレーも大きな武器になる。FWが前を向く回数を増やすことができればシュートチャンスも増え、ゴール数増加にもつながる」とチームにもたらす“小野効果”を推察した。

レジェンドの琉球入り歓迎

■「優しいパスが魅力」

 レジェンド・小野伸二のFC琉球入りに、関係者やサポーターからは歓迎の声が上がった。

 Jリーグに詳しく、本紙で連載も執筆中の演芸集団FECのぎぼっくすさんは「『ベルベットパス』と呼ばれる味方に優しいパスが魅力のテクニシャン。繰り出すパスに名前が付く選手はなかなかいない。そのパスで観衆を沸かせるのは間違いない」と太鼓判。

 サポーターグループ「琉球グラナス」の池間弘章さんは「琉球がJ1という上のカテゴリーに上がるために、ピッチ上で高いレベルのプレーとメンタルを表現してくれるだろう。スタジアムで多くの人が胸を張って応援し、小野選手が沖縄を愛してくれるようにしたい」と意気込んだ。

 県サッカー協会の具志堅朗会長は「サッカーをしている小中高生や女性にも良い刺激になる」と、琉球入りを歓迎した。