ザ・ラカンターズ『ヘルプ・アス・ストレンンジャー』 ロックの本質はスタイルでないことを実証

ザ・ラカンターズ『ヘルプ・アス・ストレンンジャー』

 今春13年ぶりの来日公演を果たし、これぞロックの本道と言うべき圧巻のパフォーマンスを見せてくれたザ・ラカンターズ11年ぶりのニュー・アルバムです。バンド名はフランス語で“話し上手”の意、ザ・ホワイト・ストライプスのジャック・ホワイト(ヴォーカル、ギター)、シンガー・ソングライターのブレンダン・ベンソン(ヴォーカル、ギター、キーボード)、ガレージロックバンド、ザ・グリーンホーンズのジャック・ローレンス(ベース)、パトリック・キーラー(ドラム)といった、それぞれがホーム・ベースを持つ友人4人で2005年に結成されました。

 切り裂くようなジャックのブルース・ギターとブレンダンのメロディーが生み出す作品には、オルタナティヴではなくクラシック・ロックを彷彿とさせるところがありますが、ザ・フー、ツェッペリン、クイーン、ストーンズと言った過去のロックを懐かしむのではなく、スタイルは様々であってもロックスピリッツが不変であることを実証しているのです。(ビッグ・ナッシング・2400円+税)=北澤孝

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