水害早期避難へ事前に計画 地域で教訓や危機感共有、策定へ

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地域独自の「タイムライン」作成に向け、熱心に議論する住民たち(京都府亀岡市保津町公民館)

 水害に備えて地域住民の避難行動を事前に定める「タイムライン」作成に向け、京都府亀岡市保津町自治会が4日夜、初会合を開いた。災害の前兆となった現象を住民間で共有し、市の避難情報を待たずに自主避難へ結びつけるのが目的。作成は丹波2市1町で初めてで、年内の策定を目指す。

 昨年の西日本豪雨で府内では計約62万人に避難指示、勧告が出されたが、避難した人は0.6%(約4千人)にとどまり、亀岡市の1人を含む5人が犠牲となった。市町村の避難情報は、学区や合併前の旧町単位といった広い範囲で出されるケースが多く、危機感が伝わりにくいことも原因になっている。

 これを受け、府は昨年度、細かい地域ごとのタイムライン策定に乗り出した。現在、福知山市、舞鶴市、綾部市の計3地区で作成されている。

 亀岡市でも西日本豪雨で約9600人に避難指示、勧告を出したが、避難者は4%(約400人)。保津町は2013年の台風18号による桂川の氾濫で7棟が床上床下浸水、3棟が半壊の被害を受けており、自主防災会が作成に動き出した。

 会合には約100人の住民が参加。府市職員の協力で、8地区に分かれ、災害時にどんな前兆現象があったか話し合った。「〇〇さん宅前の道路が川のようになっていた」「池に土砂が流れ込んだ」などと書いたメモを地図に貼りつけた。

 地図は危険地域のメモでぎっしり埋まったが、実際に避難したかについては「これまでも大丈夫だったから」「子どもが小さいので歩いて逃げると危ない」などと、大半が逃げていないことが分かった。避難した人は「民生委員や消防団から呼び掛けられた」との理由が目立った。

 10月まであと2回会合を開く。保津町自主防災会長(71)は「危険情報は対象地域を絞れば絞るほど、効果は大きくなる。『自分だけは大丈夫』という意識を持たないよう、みんなで早期避難できる計画にしたい」としている。