“JFK”ウィリアムス級? 阪神ジョンソンは42戦で防御率0点台【セ新外国人査定】

阪神のピアース・ジョンソン【写真:荒川祐史】

広島レグナルトは44戦で防御率2.44 巨人ビヤヌエバ、阪神マルテは今ひとつ?

 今年も多くの新外国人選手がNPBにやってきた。すでに結果が出つつあるが、外国人選手の「新人王」を決めるとなれば、有力候補はどの選手になるだろうか?

 セ・リーグの新外国人選手の成績を見ていこう。

○打者
ビヤヌエバ(巨)68試 190打44安8本24点2盗 打率.232
マルテ(神)67試 231打62安9本34点0盗 打率.268
ソラーテ(神)10試 39打9安4本7点0盗 打率.231

 かつては外国人選手というと打者が中心だったが、最近は投手の方が圧倒的に多く、打者では1軍の試合に出ているのは3人だけ。巨人ビヤヌエバは前年パドレスで20本塁打。まだ28歳と若く期待が高かったが、現時点では荒さが目立っている。

 阪神のマルテは故障で出遅れて5月から出場した。まずまずの成績だが、中軸打者としては物足りない。そこで阪神はデビューからMLBで5年連続2桁本塁打のソラーテを獲得。7月から出場し、1か月で4本塁打を放った。

○投手
レグナルト(広)44登5勝2敗0SV14HD 48回 53三振 防御率2.44
ローレンス(広)1登0勝1敗0SV0HD 5回 3三振 防御率10.80
モンティージャ(広)1登0勝1敗0SV0HD 2.1回 3三振 防御率7.71
マクガフ(ヤ)50登4勝2敗6SV13HD 53回 48三振 防御率2.72
スアレス(ヤ)3登1勝1敗0SV0HD 14回 10三振 防御率1.29
クック(巨)12登0勝2敗6SV0HD 12回 9三振 防御率5.25
デラロサ(巨)9登0勝0敗1SV3HD 6.1回 8三振 防御率2.84
ソリス(De)4登0勝0敗0SV1HD 4.1回 2三振 防御率2.08
ロメロ(中)16登6勝8敗0SV0HD 94.1回 86三振 防御率3.82
ジョンソン(神)42登2勝2敗0SV30HD 42回 61三振 防御率0.86

 広島のレグナルトは開幕から救援で起用され安定感ある成績。今ではセットアッパーとして「勝利の方程式」を担っている。同じくローレンスは7月3日に初登板したがヤクルト村上に満塁本塁打を打たれた。モンティージャはカープアカデミー出身。今年、広島と契約。7月30日に初登板したが、まだ結果が出ていない。

 ヤクルトのマクガフは開幕からセットアッパーとして安定感のある成績。7月からはクローザーに起用されている。スアレスはソフトバンクのスアレスの兄。先発で起用され、好投するも5月中旬に体調不良を訴え抹消された。巨人のクックは開幕からクローザーとして起用され6セーブを挙げるも次第に打ち込まれ、4月21日を最後に登録抹消。6月に復帰したが失点する試合が続いている。デラロサは6月に急遽獲得。救援投手としてまずますの成績を上げている。

 DeNAのソリスは今年5月31日に契約。救援投手として4試合に投げている。パットンが戦線離脱しただけに、今後登板が増えそうだ。中日のロメロは4月からローテーションを維持し、負け越しながらもまずまずの投球を続けている。阪神のジョンソンは、42回を投げて自責点はわずかに4、ほぼ完璧な投球を続けている。全盛期のジェフ・ウィリアムスに匹敵する活躍と言えよう。チームも登板間隔をあけるなど大事に起用している。

 外国人の新人王を決めるとすれば、セ・リーグは圧倒的に阪神のジョンソンになるだろう。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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