集客支える V長崎後援会 活動再開9カ月 アイデア多彩に チケット代半額助成 直行バス運行を支援

鹿児島の「さつま揚げ」と「長崎かんぼこ」の対決イベント=諫早市宇都町、トランスコスモススタジアム長崎(長崎商工会議所提供)

 活動再開から9カ月たったV・ファーレン長崎後援会は、J1からの降格や成績不振という逆風の中、集客を支えている。法人・団体と個人を合わせて362会員(7月25日時点)から集まった活動資金で、スポーツを通じた地域振興に手探りで取り組んでいる。

 「私たちの組織力を生かし、お客さんにスタジアムに足を運んでもらおう」。7月25日、長崎市内であった常任理事会で、会長の宮脇雅俊長崎商工会議所会頭はこう呼び掛けた。

 クラブ経営の一時悪化などに伴い活動休止状態だったが、昨年8月に産学官7団体トップ会合「長崎サミット」で、宮脇氏が組織立て直しを提言。同11月の総会で、全県的なクラブ支援態勢を敷き、青少年育成や地域振興も目標に掲げた。年会費1233万円のうち会員特典を除いた約7割で事業展開する。

 トランスコスモススタジアム長崎(長崎県諫早市)でのホームゲーム入場者数は平均8千人を割り込んでいる。常任理事会に出席した高田明V長崎社長は「今のままでは6千人まで落ち込みかねない」と危機感を示した。

 そうした中、後援会は「トラスタ1万人で応援キャンペーン」と銘打ち集客を支援。6月は会員のグループ観戦時のチケット代を半額助成した。「交通の便が悪く、観戦に行きたくても行けない人が多い」(宮脇氏)として、今後は会員の貸し切りバス代を1季1回限り3万円助成する。8月4日は五島市から児童生徒65人を招待した事業に助成。長崎市内からの直行シャトルバス運行も支援する。

 会場の後援会ブースの活用を自治体に促し、これまで平戸、長崎両市が観光・物産をPRした。4月の鹿児島戦では、鹿児島の業者を招き「さつま揚げ」と「長崎かんぼこ」の対決イベントを企画し好評だったという。

 事務局の長崎商工会議所は会報誌やツイッター(アカウントは@VVN_koenkai)で来場や入会を呼び掛けている。このほか、会員から募る「女子会」に活動を企画してもらったり、クラブ支援につながる大学生の調査研究に助成したりする案もある。

 髙田社長は、アウェーゲームに来るサポーターが最近増えたとして「県外にも後援会があれば」と期待。会員に向け「(親会社)ジャパネットだけのクラブではない。『長崎を元気にする』という思いを共有し支えていただきたい」と訴えた。

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