千葉の礎「亥鼻公園」と「千葉常胤」を現地ルポ!歴史旅にでかけよう

鎌倉幕府を開いた源頼朝が父と慕った千葉常胤(ちばつねたね)の父・常重が平安時代後期(1126年)に居館を構え、千葉市の歴史が始まったと言われる「亥鼻公園」と千葉の礎を築いた「千葉常胤」の歴史に触れて、修学旅行気分でレポートします。

千葉八景の「亥鼻公園」見とれるお城と花散歩

1861年「猪鼻山の望月」が千葉八景に選ばれ、名所旧跡として由緒ある「亥鼻公園」。癒しのグリーンに囲まれて、公園内のさらに上を目指して階段を登ります。その道中には竹林・ベンチ。良い散歩コースです。

階段を登りきると天守閣のあるお城が登場。高さ約30mの4層5階建、1967年に小田原城を参考に設計されたそうで「千葉城」と呼ばれ親しまれています。春には「千葉城さくら祭り」が開催され、約100本の染井吉野がお城と見事な姿を魅せてくれます。この日は紫陽花がちらほら咲き、お城と新鮮なコラボレーションを楽しめました。

お城の向かい側の茶室「いのはな亭」でひと休み。

平成30年は千葉常胤の生誕900年

千葉常胤は、源頼朝が房総へ逃れてきた際、いち早く味方となり筆頭御家人として活躍し、鎌倉幕府の成立に大きく貢献した人物です。千葉氏は、桓武天皇の血を引く関東の名族・桓武平氏。同じ桓武平氏でありながら平清盛の平家とは対立関係にあり、平家方に圧迫され領地を失いました。土地・家族・安全を守るため自分で武器を持ち戦うしかない「一所懸命」の時代に、土地の権利を認め保証する棟梁として千葉常胤が選んだのが源義朝・頼朝親子。その御恩に対し棟梁の命令に従い戦う奉公の関係を築き、平氏・源氏という血縁関係にこだわりはなかったようです。

70歳でも京都・九州・東北まで遠征し、重要な儀式・戦を通し貢献し地位と領地を得て、源頼朝の復活と飛躍のために働きました。戦国時代になると千葉氏は北条氏と婚姻関係を結びますが、全国統一を進める豊臣秀吉に北条氏が服属しなかったため、攻められ滅亡。本家は滅びましたが、千葉氏一族で江戸時代に大名として残った家もあるそうです。

「千葉市立郷土博物館」の濃密な歴史をじっくり学習

「千葉郷土博物館」には、凄みある戦国時代の武器や甲冑が常設展示され、企画展もありました。数多くパネル展示の他、親切に紙資料が置いてあり、資料片手にゆっくり廻れます。職人さんのスゴ技、緻密な竹細工・・・。

企画展では千葉氏入門の展示や、火縄銃・人間国宝の方がつくった刀の展示もあり、刀ファンまでも魅了する濃い内容は、1日楽しめますよ。

天から千葉を見守り、現代へ受け継がれる紋

光を与え、満ち欠けを繰り返し霊力ある存在として、天空から人を見守り、方角を示し、運命を司る神として信仰される天体。北極星や北斗七星を神として「妙見」信仰に由来する千葉氏の家紋は、三日月と星ひとつの「月星紋」、星周りに星8つを置いた「九曜紋」で、千葉市の市章のデザインの基にもなっているようです。博物館の外には、その家紋の旗がはためいていました。

天守閣で千葉市を眺めてひと休み。妙見様を信仰したように、きっと千葉氏が天から見守っているのであろうと感じながら、この日心地よく風は吹いていました。これを機に、妙見信仰の千葉神社まで修学旅行の続きをするのもいかがでしょう。

千葉市立郷土博物館(亥鼻公園内)

住所:〒260-0856

千葉県千葉市中央区亥鼻1丁目6番1号

TEL:043-222-8231

開館時間:9:00~17:00(入館16:30まで)

休館日:月曜(祝日の場合は翌日休館、年末年始12/29~1/3、臨時休館あり)

入館料:無料

交通:JR「千葉駅」から徒歩20分、「本千葉駅」から徒歩15分、千葉モノレール「県庁前駅」徒歩13分

HP:https://www.city.chiba.jp/kyoiku/shogaigakushu/bunkazai/kyodo/kyodo_top.html

[all photos by kurisencho]

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