ジュエリーが雇用増加や環境保持に繋がる。今エシカルジュエリーが注目される理由とは

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今、全世界に広がりつつあるエシカル・ジュエリー

■今、全世界に広がりつつあるエシカル・ジュエリー

様々なシーンで華やかさを演出しするジュエリーは全世界の人々を魅了するアイテムです。
しかしその華やかさの裏側では違法な労働や環境汚染などといった、深刻な問題を抱えている現実があります。
見て見ぬふりをするのではなく、ジュエリーの製造工程などにもしっかりとその事実に向き合い、誰もが幸せを感じられるジュエリーをつくることが今重要視されています。
そこで、見た目だけでなく、手元に届くまでのプロセスも美しい「エシカル・ジュエリー」が今、注目されはじめています。
今回は、今セレブにも注目されているエシカルジュエリーブランドについて詳しくご紹介いたします。

■手元に届く瞬間までのすべてが美しくありたいという「HASUNA」のエシカル・ジュエリー

「HASUNAのジュエリーは、わたしの元に届くその瞬間までのストーリーを、すべて美しく語ることができる。関わるすべての人々が幸せで、環境を掻き乱すことのない、祝福されたジュエリーである。」

「HASUNA」のサイトのコンセプトにこのような一文が掲載されています。
そんな「HASUNA」が目指すのは「PERPETUAL JEWELRY」という世界観。
「PERPETUAL」には「永遠の」「永続する」といった意味があり、デザインなどの見た目だけの美しさだけではなく、手に届く瞬間までのストーリーすべてが偽りなく美しくあるべきという思いも込められています。

・使用されるのは、厳しい鑑定が行われているダイヤモンドのみ

「HASUNA」のダイヤモンドにはカナダ産、ボツワナ産、ロシア産などが使用されており、世界で最も権威のあるとされる独立国際機関の「GIA」(Gemological Institute Of America~ダイヤモンド・カラーストーン・真珠などの世界的権威)、もしくは最も厳密に評価をするとされている「CGL」(中央宝石研究所)による鑑定が行われています。

・フェアマインド認証ゴールド

「HASUNA」では国際非営利団体「ARM」(Alliance for Responsible Mining:公正な採掘のための連盟)を通じ、「fairmined」(フェアマインド)認証ラベルを付与されたゴールドを使用しています。「ARM」は鉱山で働く人々の労働環境や有害化学物質の使用低減、インフラの整備など、労働者の人権を守るための基準を設け、マーケットの開発支援を行っている団体です。

宝石研磨業で、パキスタンの貧困世帯の女性を支援

【宝石研磨業で、パキスタンの貧困世帯の女性を支援】

8,000メートル級の山と美しい渓谷が広がる風景を楽しむことができるパキスタンのフンザ地方は、これまでは観光が主な収入源でしたが、9.11以降観光客が激減し、地域の人々の暮らしは非常に厳しい状態となりました。
そんな現地の貧困層の女性たちへの生活支援を行っているのが「ルバニファンデーション」です。
取り組みの中ではまず、パキスタンの女性たちは半年から1年程度をかけて訓練を受け、宝石研磨の技術を学びます。そして地元で採掘された天然石を美しく磨き上げていく仕事で生計を支えるという、結果として雇用を増やすことに成功しています。
「HASUNA」のジュエリーは、そんなパキスタンの女性たちが丁寧に磨き上げた宝石を使用しています。

【元ストリートチルドレンの雇用を支援、「HASUNA」の代表する素材の一つルワンダの「コルネ」(牛の角)】

「HASUNA」のパートナーが青年海外協力隊の赴任中に立ち上げたルワンダの牛角細工工房では、元ストリートチルドレンの青年たちが加工技術を学びながら職人として働き、自活できる収入を得ています。
内戦で家族を失ったストリートチルドレンは数千にものぼり、学校へ行く機会を奪われた彼らは読み書きもできず、特別な技術も持たないため仕事に就くことが難しく、売春や窃盗などの犯罪に手を染めるケースも少なくありません。
この工房では元ストリートチルドレンの青年たちが牛の角をカットして磨き上げ、ジュエリーの素材になるようひとつひとつ丁寧に作っています。「HASUNA」との取引を重ねていくうちに技術も向上し、収入や生活の安定に結び付いています。

・日本で初めて「RJC」認証を取得したHASUNA

「HASUNA」は2014年、ダイヤモンド・金・プラチナを取り扱う宝飾業界を対象とした、社会・環境責任の範囲における規範と規格を開発する国際的非営利組織「RJC」(Responsible Jewellery Council:責任あるジュエリー協議会)の認証を取得しました。
この認証を取得するには倫理的活動、人権の尊重、環境保全の推進が行われているかといった、第三者認定機関による公正・公平なる適合検証が必要となります。「HASUNA」は日本企業で初めてこの認証を取得しました。

エシカルなジュエリーの大切さを私たち消費者に訴えかける「HASUNA」の取り組み。
見た目だけではなく、店頭に並ぶまでの生産や製造といったプロセスも美しくありたいという強い思いが伝わってきます。

人や社会、自然に配慮する「EARTHRISE(アースライズ)」

■人や社会、自然に配慮する「EARTHRISE(アースライズ)」

途上国の小規模コミュニティーと協力し合い、フェアトレードの素材を仕入れたり技術向上のための支援をしたり、地域の人々の伝統と技術を守りながら一緒にジュエリーを制作しています。
途上国の諸問題に取り組むだけではなく、国内のジュエリー業界においてもフェアな取引、職人技術の継承などにも力を入れています。

「EARTHRISE」では人権と環境に配慮し、有害な化学物質の削減に努めているペルー、ボリビア、コロンビアといった南米の小規模鉱山で採掘されているフェアマインド認証ゴールドや、フェアマインド認証シルバーを用いたジュエリーを制作しています。
またジュエリーの主役ともいえるダイヤモンドは、人・社会・自然に配慮して採掘され、武器の売買や闇取引といった紛争の資金源とならないエシカル・ダイヤモンドを使用しています。独自に設けた基準には人権侵害、児童労働を含む違法な労働がないこと、自然環境への配慮やトレーサビリティ(産地や工場などを追跡して遡ることが可能)の確保なども含まれています。

ダイヤモンド以外では、サファイア、ルビー、エメラルド、アクアマリンといったフェアトレードのオーガニックストーンを使用したジュエリーが制作されています。一般的に市場に出回っている宝石の多くは、研磨以外に色を鮮やかに見せる人工的な処理が行われていますが、「EARTHRISE」のオーガニックストーンは研磨のみ。自然本来のやさしい色合いや輝き、温もりを感じられるジュエリーとなっています。

・ジュエリーのプロセスを考えられる大人に~「R ethical(アール・エシカル)」の願い

「背景の美しいジュエリーを、凛とした人へ」がコンセプトの「R ethical」は、採掘現場での過酷な労働、水銀による健康被害、環境汚染、貧困といった問題が山積していることが多いジュエリーの背景を映し出しています。
「R ethical」のコンセプトには、背景の美しいものを選ぶ知性と持続可能な未来を想う経験のある女性が増えてほしいという願いも込められています。
またフェアマインド認証ゴールドを使用しており、金の採掘現場における労働者の人権を守り、市場へのアクセス支援、紛争の予防、水銀の使用頻度の低減化などコミュニティー全体の持続的な発展をサポートしています。
国際NGOや各財団とのコラボレーションも行っている「R ethical」。ジュエリーを通して持続可能な未来を目指しています。

■生産工程だけではない、職場環境や社員教育もエシカルな「PIAGET(ピアジェ)」

「ピアジェ」は2006年に「責任ある宝飾のための協議会(RJC)」に加盟し、2011年には認証を取得し、以降3年ごとに認証を更新しているブランドです。
その使命は「ダイヤモンド、ゴールド、プラチナを含む貴金属と宝石のサプライチェーンにおいて、採掘から小売りまで責任ある事業実践に取り組む」こと。エシカルでサスティナブルなジュエリーの制作に取り組んでいます。

「ピアジェ」のエシカルな取り組みはジュエリーだけでなく、職場の環境や社員教育にも徹底されています。
一例として、建物のCO2消費量を継続的に改善することを目指し、その量を計測。本社では環境監査を受けて様々な改善策が実施されることなどが挙げられます。

生産拠点ではグリーン電力を使用しており、電力の100%が水力発電によるものを使用しています。
オフィスとブティックでは省エネ照明(LED)を導入しており、マニュファクチュールの屋上にはソーラーパネルを設置、ジュネーブ拠点にて使用する湯を沸騰させるために利用しています。

また、ピアジェはリデュース(削減)、リユース(再利用)、リサイクル(再資源化)を柱とした廃棄物管理、リサイクル原料やFSC(森林管理協議会)認証紙の利用を積極的に行っています。
出張は「避ける&最低限に抑える」というのを方針としており、テレビ会議などの代替手段を積極的に用いたり、1回の出張で複数の都市を訪れたりといった計画を立て、できるだけCO2排出量の少ない移動手段を利用するよう心がけています。
本社ではカーシェアリングや自転車などの通勤手段を推奨し、持続可能な交通手段の利用も促しています。

 

 

見た目の美しさだけでなく、労働者の人権や健康そして地球環境といった背景に対する配慮も大切にするエシカル・ジュエリーを取り扱う企業の様々な取り組みは、雇用が少ない国の雇用を生み出す仕組み作りや自然に配慮した取り組みは徹底されており、まさにSDGsに適っているといえます。
また、私たちにとって犠牲を伴わない商品を身に付けることは、それらと真剣に向き合い、エシカルなライフスタイルを大切にしているアピールにも繋がります。
今後エシカルな生活を目指す際には、ぜひエシカルジュエリーにも注目してみてはいかがでしょうか。