日経平均やNYダウが買える!?ETFは株式初心者の強い味方

株式投資と同じルールで取引できる投資信託、ETFを知っていますか?

ETFを使えば、「企業は選べないけれど、日本株全体に投資したい!」なんてことが可能になります。しかも少額からチャレンジできて、株式初心者に向いているものがたくさん!

今回は、そんなETFならではのメリットについて学びましょう。


「選べない!」「資金が足りない!」そんな時は…

株式投資で不可欠なのは、投資する企業を選ぶことです。しかし、これがなかなか難しい。4,000弱ほどの企業の中から、「これ!」という企業を探し出さなければいけません。一度にたくさんの企業に投資できればよいのですが、安くても1銘柄当たり数万円~数十万円、高いと100万円以上必要な場合もあります。

そんな方にオススメしたいのが、「ETF」です。ETFは、「投資する銘柄を一つに絞りきれない!」そして「投資資金は少ないけれど、多くの銘柄に投資したい!」という株式投資初心者の悩みを、一挙に2つも解決してくれる強い味方なのです。

プロに運用をお任せ!?

ETFは、日本語では「上場投資信託」と呼ばれ、その名の通り、投資信託の一種です。

投資信託は、投資家から集めた資金をひとつにまとめ、運用のプロが投資家に代わって株式や債券などに投資し、その収益を投資家に分配する金融商品です。

運用のプロが投資家に代わって運用する、と言っても好き勝手に投資するのではなく、「なるべく損失が出ないよう、安定した収益の確保を目指す」、「多少のリスクは犯しても高い利益を目指す」…などなど、決められたテーマに沿った運用が行われます。

取引時間中は常に株価が変動する株式と違い、投資信託の値段は1日に一度しか決められず、しかも注文してからいくらで成立したのかは、1日~数日経たないと分かりません。そのため投資信託は、短い期間の運用には適していないと言われています。

その投資信託を、そのまま株式市場で取引できるようにしたのがETFです。株式市場と同じルールなので、取引時間中ならいつでも注文でき、短期間の取引も可能です。

また、ほとんどのETFは1口単位で取引できるので、少額の資金から始めることができます。たとえば、日経平均株価に連動するように運用される「日経225連動型上場投資信託(1321)」の価格は1口2万960円(2019年8月7日現在)。2万円ちょっとあれば投資できます。

アメリカ株や金にも投資できる!

国内で取引できるETFは現在約200種類あり、運用先も豊富です。一番メジャーなのは、日経平均やTOPIXといった株価指数に連動するように運用されるETFです。下のチャートは、「日経225連動型上場投資信託(1321)」と日経平均株価の値動きを並べたもの。同じような値動きになっていることがわかります。

日経平均は、日本を代表する225銘柄の株価から算出されるので、「今後日本の景気が良くなりそう」「全体的に株価が上がりそう」という予想が多くなれば、日経平均に連動するETFの人気が高まります。

日経平均株価と日経225連動型上場投資信託(1321)との値動き比較
赤:日経平均、青:日経225連動型上場投資信託

画像:マネックス証券

また、最近日本株よりも好調なのがアメリカ株です。アメリカの株を取引する場合、専用の口座を作ったり、資金をドルに両替したり…と初心者にはハードルが高いのですが、ETFを利用すれば簡単です!

たとえば、NYダウに連動するように運用される「NEXT FUNDSダウ・ジョーンズ工業株30種(1546)」は1口2万7,550円(2019年8月7日現在)。直接アメリカの株を買わなくても、日本円でそのままアメリカ市場に投資できるのです。その他にも、金価格に連動したETFや特定の業種だけに運用するETFなど、実に豊富な種類があります。

NYダウとNEXT FUNDSダウ・ジョーンズ工業株30種(1546)との値動き比較
赤:NYダウ、青:EXT FUNDSダウ・ジョーンズ工業株30種

画像:マネックス証券

まだまだあるETFのメリット

ETFのメリットはまだあります。それは倒産リスクがないことです。株式投資には、企業の不祥事や業績の悪化などで株価が大きく下落したり、最悪の場合上場廃止となるリスクがあります。

しかし、ETFは様々な金融商品に分散して投資するため、その中の一つが上場廃止になっても価格へのダメージは小さくて済みます。

「投資する企業を一つに絞らなくてもいい」、「少額から取引できる」、「海外株式や金などにも投資できる」、「倒産リスクがない」…ETFには株式初心者におすすめできるメリットがたくさんあります。ぜひチャレンジしてみてください。

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