向「五輪につなげたい」 世界柔道壮行式

柔道の世界選手権壮行式で、抱負を語る男子90キロ級の向翔一郎=7日、東京都文京区の講道館

 全日本柔道連盟(全柔連)は7日、東京都文京区の講道館で世界選手権(25日~9月1日・日本武道館)壮行式を開いた。個人戦で初出場となる男子90キロ級の向翔一郎(ALSOK、高岡第一高・日本大出)は「自分の柔道をしっかりとして、東京五輪につなげたい」と大きな目標を見据え、闘志を燃やした。

 7月の国際大会で左足中足骨を骨折した向は、6日に乱取りなどの本格的な稽古を再開したと説明し、「全然問題ない」と明るく語った。

 男子66キロ級で3連覇に挑む阿部一二三(日体大)は「一本を取りにいく自分の柔道をして、豪快に圧倒的に優勝したい」と力強く決意表明した。女子52キロ級で2連覇を狙う19歳の阿部詩(日体大)は「目の前の試合を一戦一戦全力で闘い、優勝を目指す」と兄の阿部一と2年続けての「きょうだい制覇」を宣言。男子73キロ級で2015年以来の出場となるリオデジャネイロ五輪覇者の大野将平(旭化成)は「3度目の世界チャンピオンを目指す」と意気込んだ。

 男子の井上康生監督は「日本代表の誇り、自覚をもって精いっぱい闘う」と抱負を語り、女子の増地克之監督は「選手たちはいいパフォーマンスをしてくれると信じている」と自信を示した。

 日本は男女同時開催となった1987年以降、2位タイの7階級制覇(無差別級を除く)を2年続けて達成。来年の東京五輪と同じ会場で行われる前哨戦に向け、全柔連の山下泰裕会長は「己を信じて、自分の柔道を貫くことに集中してほしい」と選手らを激励した。

© 株式会社北日本新聞社