響く「長崎の鐘」 核廃絶の願い込め

市民や観光客らが平和への願いを込めて鳴らした長崎の鐘=長崎市、平和公園

 「長崎の鐘を鳴奏会(ならそうかい)」は7日、長崎市の平和公園で、市民や観光客と共に「長崎の鐘」を鳴らし、核兵器廃絶と世界平和を願う鐘の音が響き渡った。8日と9日も鳴らす予定。
 「長崎の鐘」は1977年に県被爆者手帳友の会と県動員学徒犠牲者の会が設置。鳴奏会は手帳友の会、長崎平和推進協会、県宗教者懇話会、アジェンダNOVAながさきの4団体を中心に組織し、広島・長崎原爆の時期に合わせて鐘を鳴らす活動を2008年から続けている。
 7日は長崎原爆投下時刻の午前11時2分、子どもや外国人観光客ら約30人が一緒に鐘のロープを引っ張り、高らかに鐘の音を響かせた。この後、10分おきに計3回鳴らした。
 鐘を鳴らす前に、鳴奏会の活動に尽力した友の会会長、井原東(と)洋(よか)一(ず)さん(7月30日に83歳で死去)をしのび、関係者が黙とうした。井原さんの姉、井黒キヨミさん(93)は「いつも一緒に活動してきた。一日でも早く核兵器廃絶が実現するよう願い続けたい」と話した。

© 株式会社長崎新聞社