横浜FC、破竹の7連勝 クラブ新記録、J1昇格へ弾み

横浜FC・FW三浦知良

 サッカーJ2の横浜FCがクラブ新記録の7連勝を飾る快進撃を続けている。シーズン途中の監督交代や積極補強などで序盤の出遅れを取り戻し、J1参入プレーオフ出場圏内(6位)の4位まで巻き返した。今季のリーグ戦は残り3分の1余り。連勝記録の継続とともに、2007年以来のJ1復帰にも期待が高まっている。

 4日のリーグ第26節は敵地でアビスパ福岡に2―0の完封勝ち。新人MF中山克広がリーグ戦初ゴールを挙げ、記録達成に花を添えた。下平隆宏監督(47)は「内容は決して良くなかったし、いい試合ばかりで勝ち続けているわけではない」と話す一方、「選手がチームの約束事やプレーの原則を守り、それぞれの仕事を徹底してくれていることが結果に出始めている」と手応えも口にする。

 今季序盤は試合終了間際の失点が重なって勝ち点を落とす悪循環に陥り、2桁順位に低迷。クラブは5月中旬にブラジル人のタバレス前監督(63)を解任した。その後、下平監督のもとでスタメン復帰したエースのイバが得点を量産。23歳の中山や今春のU―20(20歳以下)ワールドカップにも出場した斉藤光毅ら若手が頭角を現した。

 監督交代後は9勝2分け2敗。最年長52歳のFW三浦知良は好調の要因について「競争があるのが一番。若いやつがすごく伸び伸びとやれているし、それに負けじとベテランも頑張っている」と話し、主将のGK南雄太も「うちはサブのメンバーがかなり豪華。個々のレベルが高いし、途中から流れを変えられる選手も多い」。課題だった勝負強さにも磨きがかかってきた。

 もともと、三浦を筆頭に南やMF松井大輔、DF伊野波雅彦ら日本代表歴のある経験豊富な選手がそろうチームに、7月中旬からはMF中村俊輔も加わった。横浜生まれのレフティーは「やりがいや目標があればJ1もJ2も変わらない。連勝して、はしゃぐ選手がいないのもいい」と、地に足のついた戦いぶりにチームの強さを見ている。

 横浜FCは昨季、J1に自動昇格できる2位と勝ち点で並んだものの、得失点差の3位でレギュラーシーズンを終了。続くJ1参入プレーオフも2回戦で涙をのんだ。「できることなら上の二つ(2位以内)に入ることが目標」(三浦)というクラブにとって、本当の戦いはここからだ。

 次節は10日、本拠地のニッパツ三ツ沢球技場で5位水戸ホーリーホックとの上位対決に臨む。「まだ首位とは勝ち点8差もある。連勝というよりは目の前の試合に勝たないと詰まっていかない」と南。三浦も「こうして勝っていく中で一つでも試合に絡みたいし、絡めないと悔しいですから」と大型連勝の余韻に浸る様子はなかった。

© 株式会社神奈川新聞社