本場サンセバスチャンでバスクチーズケーキ食べ比べリポート

日本でも大人気のバスクチーズケーキ。スペイン北部の「美食の街」サンセバスチャンが発祥地であることをご存知でしょうか。日本に流通しているバスクチーズケーキは、「LaVina(ラ・ビーニャ)」というバルのレシピを参考にされています。けれど、実はサンセバスチャンには他にも隠れたチーズケーキの名店があることをご存知ですか?ラ・ビーニャに勝るとも劣らない、けれどあまり知られていないこちらのお店のチーズケーキをご紹介させてくださいませ。

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バスクチーズケーキといえば「ラ・ビーニャ」

まずは、本家(?)「ラ・ビーニャ」のチーズケーキのおさらいから。店内の壁には、びっしりとチーズケーキのホールが積み上げられています。ケーキがここまでストックされている様子をはじめて見ました。

トレードマークは、この黒い焼け目。この画像のスタッフが手にしているプレートに2切れ載っていますが、これで1人前の5ユーロでした。濃厚なチーズの風味と、焼き目の香ばしさが絶妙なバランスでした。

ちなみにこれが、「ラ・ビーニャ」の外観。一番目立つ場所にチーズケーキの写真が掲げられていますね。

「パステレリア・オタエギ」のチーズケーキ

けれど、チーズケーキといえばスイーツなので、地元のスイーツ専門店もしっかりバスクチーズケーキを取り扱っています。これは、サンセバスチャンに5店舗を出店しているスイーツショップ「Pasteleria Otaegui(パステレリア・オタエギ)」。

1886年創業で、サンセバスチャンのある県内では一番老舗のお菓子屋さんです。その美味しさから「スペイン王室御用達」のスイーツショップだったのだとか。

「San Sebastian Cheesecake(サンセバスチャン・チーズケーキ)」という名称で取り扱われています。余談ですが、「バスクチーズケーキ」は日本のみの呼称で、一般的には「Burnt Cheesecake(焼かれたチーズケーキ)」や、チーズケーキのスペイン語訳「tarta de queso」と呼ばれています(バルの「ラ・ビーニャ」でも「tarta de queso」)。

このお店でもチーズケーキはやはり人気なようで、他のケーキに比べて在庫が明らかに少なくなっていました。

これが店内の様子。一般的なスイーツショップで、イートインコーナーはありません。購入は、テイクアウトのみ。

ケーキを購入すると、可愛いラッピングをしてくれます。包み紙がケーキに触れないよう、固めのボール紙で立ち上がりもつけてくれていました。

こちらの画像の左側が、「オタエギ」のチーズケーキ。一切れ3.50ユーロ。「ラ・ビーニャ」のチーズケーキが濃厚クリーミーな食べ応えのあるケーキだったのに対し、「オタエギ」のチーズケーキは軽くてエアリー。口の中で淡く溶ける感覚がたまりません。

そして画像右側に写っているのが、「pantxineta」(パンチネータ)。1切れ3ユーロ。

20世紀初頭に、この「オタエギ」がオリジナルで販売開始したカスタードクリームパイです。今では、サンセバスチャンの郷土菓子として広く愛されるスイーツなのだとか。

サンセバスチャンを訪れたら、バスクチーズケーキだけでなく、「オタエギ」が生み出したこのパンチネータもぜひ堪能していただきたいです。

スイーツのサンセバスチャン土産なら

ちなみに、この「オタエギ」で面白いお菓子を見つけました。アンチョビ(片口いわしの塩漬け)の缶詰を模した、チョコレートの缶詰です。チーズケーキやパンチネータは日本のお土産に持ち帰れませんが、これなら大丈夫。ひと缶4.70ユーロで、購入したら画像のように可愛らしくラッピングもしてくれましたよ。でも、誰かにプレゼントする時にはしっかりスイーツだと説明しておかないと、本物のアンチョビ缶と勘違いされてしまうかもしれませんね。

ぜひ、みななまのサンセバスチャン観光の際に参考になさってみてください。

[All photos by Naoko Kurata]

[Pasteleria Otaegui]

[facebook/Casa Otaegui Pastelería Donostia San Sebastián]

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