【MLB】レ軍で観客の人種差別問題が勃発 「全てのゲストに安全で楽しく過ごせる環境を」

レンジャーズ-タイガース戦で一部観客による人種差別問題が勃発【写真:Getty Images】

レンジャーズ-タイガース戦でヒスパニック系の家族に対するハラスメントが起きた

 大リーグで一部観客の人種差別問題が話題となっている。レンジャーズは3日(日本時間4日)に米テキサス州アーリントンで行われたタイガース戦で起きた、ヒスパニック系の家族に対するハラスメントを調査している。地元紙「ダラスニュース」が伝えている。

“被害者”のジェシカ・ロメロさんのフェイスブックによると、ある男性が席の前後にヒスパニック系の家族が座っていたことについて文句を言ったという。ロメロさんはSNS上(現在は削除済み)でこのように綴っている。

「彼はヒスパニックが好きではないとはっきりと分かりました。私たちは彼の前に座っていて、彼の後ろにもヒスパニック系の家族が座っていました。2回の時、(ロメロさんの息子で6歳の)ノマーと同じ年齢くらいの少年が、その男性のシートを後ろから蹴りました。そして、その後の3イニング、彼は『球場の自分の周囲に不法移民がいる』と文句を言っていました。『シートを蹴った“スピーディー・ゴンザレス”(ネズミのキャラクター)をメキシコに送還すべき、自分のシートを蹴らないよう、トランプ大統領は急いで壁を建設し、不法移民を送還する必要がある』と言っていました。残念ながら、このような人種差別を経験することは初めてではありません」

 夫のラモン・ロメロさんは人種差別ハラスメントが起きた時、息子にホットドッグを買うために席を外していた。ジェシカ夫人がこの問題を伝えたのは球場を出る時だったという。ラモンさんは「ただショックでした。私だったら言い返していたでしょうが、妻は私と息子の安全を懸念していました。妻はトラブルになって欲しくなかったのです。彼は多くのラテン系の選手がプレーしている試合を見ていました。ラテン系の選手がプレーするのはよくても、ラテン系の人が席の近くに座るのはダメなのですね」と振り返った。

 これを受けて、レンジャーズは「レンジャーズは全てのゲストに安全で楽しく過ごせる環境を提供することに尽力しており、土曜日の試合でこの家族が攻撃的な行為を受けたことについて深くお詫び申し上げます。このような行為はグローブ・ライフ・パーク・イン・アーリントンで許されません。日曜日にこの件について把握し、ロメロ一家に連絡を取り、次回の観戦では思い出に残る楽しい時間が過ごせるように約束しました」と声明を出した。

“被害者”のラモン・ロメロさんは「レンジャーズの責任ではないです。ただ悪い人がいただけです。しかし、皆さんやレンジャーズの気遣いは大変ありがたいです。気にかけてくれる人もいます。このようなことが改善されると希望が持てます」と話している。(Full-Count編集部)

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