「このような状況」でも、最大級の日韓イベント開催へ  相次ぐ中止の中、東京で9月末

昨年開催された「日韓交流おまつり2018 in Tokyo」の様子=2018年9月22日、東京・日比谷公園

 輸出規制強化や元徴用工問題で日韓関係が悪化の一途をたどっているが、毎年恒例の「日韓交流おまつり」は今年も9月に東京都内で開催される。各地で予定されていたスポーツや文化の交流事業が相次いで中止・延期となる中での開催に、「おまつり」の運営関係者は「このような状況だからこそ実施して、文化交流を深めてほしい」と呼びかけている。

 「日韓交流おまつり」は日韓国交正常化40周年を記念して2005年にスタート、日韓交流イベントでは最大級。当初は韓国のみで開催されていたが、09年からは都内でも開かれている。両国の伝統芸能の演舞やK―POPの公演などが催され、昨年は期間中に8万2千人が来場した。

 今年は日比谷公園を会場に9月28、29日に開催される。韓国の伝統文化体験や韓国グルメを味わえるブースが設けられる予定。29日に行われるK―POPアーティストによるコンサートは、公演当日まで出演者が明かされないシークレットコンサートだ。観覧は無料だが、ステージ前方の指定席は抽選となる。応募方法などの詳細は「日韓交流おまつり」のHPまで。http://www.nikkan-omatsuri.jp/index.html

(共同通信=松森好巨)

 これまでに中止・延期が明らかになった主な日韓交流事業

・熊本市は2日、韓国・蔚山(ウルサン)市との大学生同士の国際交流事業が中止になったと発表。

・大分県教育委員会によると、8月下旬に大分西高(大分市)の演劇部が韓国・忠清南道(チュンチョンナムド)の生徒を受け入れる日程を延期し、中津北高(中津市)の女子バスケットボール部の訪韓を取りやめ。

・韓国・昌寧(チャンニョン)郡の中学生らが8月5~7日に鹿児島県薩摩川内市を訪れ、同市内の小中学生とスポーツや書道などで交流するイベントの中止。市教育委員会によると、昌寧郡側から申し出があった。

・8月に予定されていた韓国・公州(コンジュ)市から山口市への中学生訪問事業が中止に。松江市も友好都市の韓国・晋州(チンジュ)市との中学生相互交流事業を見送ると発表。

・鳥取県は8月下旬に韓国・江原道(カンウォンド)で開催予定だった「日韓水産セミナー」が、日韓関係の悪化を理由に無期限延期になったと発表。

© 一般社団法人共同通信社