大きな社会問題となっている「海洋プラスチック問題」。
世界の海に存在しているプラスチックゴミは1億5,000万トンと言われています。
さらにそこへ年間800万トンが新たに流入していると推定され、このままでは海の生態系に大きな影響を与え、たくさんの命が失われてしまう可能性があります。
世界経済フォーラムでは「2050年にはプラスチックの生産量が約4倍となり、海洋プラスチックのゴミの量が海にいる魚を上回る」という予測まで発表されています。
非常に深刻なこの問題といち早く向き合い、プラスチックボトルを使用しないシャンプーなどを提供しているのが「ethicame(エシカミー)」のブランド「ethique(エティーク)」です。
今回はエシカルでサスティナブルな商品として注目されているエティークについてご紹介します。
■シャンプーなのに固形!エティークのこだわりとは
エシカルなビューティーフィールドへ新しいアプローチをしているエティークは、原料からパッケージに至るまで、そのすべてをサスティナブルにこだわった商品で販売しています。
2018年にはプラスチックボトル100万本が海に流出することを防いでおり、2025年までには1000万本のプラスチックボトル廃棄物を削減することを目指しています。
エティークはシャンプー、コンディショナー、モイスチュアライザーなどを固形化するという斬新な商品を取り扱っています。
見た目は石けんのようですが、これは髪や頭皮に必要な美容液成分と、必要最小限の洗浄成分を凝縮した商品なのです。
これにより液体製品にとって必要だったプラスチックボトルを排除できるようになりました。こだわったのは中身だけでなく、その梱包も生分解性のあるパッケージを使用しています。
・原料へのこだわり
エティークの商品は様々な厳しい基準をクリアした原料を使っています。
例えば「健康に害を与えるリスクがないこと」「サスティナブルに生産され、生分解性であること」「人工香料を使用しないこと」「フェアトレード(公正な取引)、リビングウェイジ(生活に最低限必要な給料金額)であること」などに加え、合成着色料、合成香料、動物由来の成分、パラペン、ワセリン、鉱物油等といった成分は不使用となっています。
通常の液体シャンプーの場合、主成分の70%が水。水分には微生物が発生しやすいので防腐剤が必要ですが、エティークには水分が含まれていないため防腐剤も使用していません。
・動物実験なし、Bコープ認証、カーボンニュートラル
カーボンニュートラルとは植物由来燃料、原料の燃焼・分解に伴って排出される二酸化炭素の量を基準(排出量)にし、元となる植物が成長過程で吸収した二酸化炭素の量(吸収量)が同じ量になることを指します。
Bコープ(B Corp)とは米国ペンシルバニア州の非営利団体「B Lab」が作った認証システム。環境や社会に配慮した事業であること、透明性や説明責任なども含め「ガバナンス・従業員・コミュニティ・環境・カスタマー」の5つの分野で厳しい基準をクリアすると認証を得られます。
・パーム油不使用
パーム油はインスタント食品、冷凍食品、スナック菓子、チョコレート、アイスクリームなどといった多くの食品や、洗剤、シャンプー、口紅等、私たちにとって非常に身近なものに使用されています。
生産国であるボルネオでは、パーム油の原料であるアブラヤシを育てるためのプランテーションの乱開発により、森林とそこに棲む希少動物たちが絶滅の危機にさらされています。これはボルネオに限った問題ではなく、地球そのものの未来が危機的状況にあるといっても過言ではありません。パーム油をめぐる環境問題は非常に深刻となっています。
・コンポスト化可能包装
コンポスト化とはいわゆる堆肥化のこと。物質が微生物によって分解される性質であるということです。例えばこのパッケージを土の中に埋めると、少しずつ微生物によって分解され堆肥となります。それだけ環境にやさしい材料が使われているということなのです。
・寄付
エティークの商品を販売する「ethicame(エシカミー)」では毎年利益の20%を動物保護団体や自然環境保護団体に寄付しています。
さらに「1%フォー・ザ・プラネット」に正式加盟。この団体は自然環境保護の必要性を理解する企業の同盟です。年間売り上げの1%を、草の根活動を行う団体に寄付するシステムになっています。
■エティークを選ぶメリットとは
シャンプーの場合であれば、標準重量110gの商品でおよそ液体シャンプー350ml×3本分、コンディショナーであれば標準重量60gの商品でおよそ液体コンディショナー350ml×5本分と同じ使用量と、通常のシャンプ・コンディショナーより長く存分に使用することができます。髪の長さにもよりますがシャンプーで約3ヶ月、コンディショナーで約4ヶ月使用できます。
使用感はココナッツオイルやカカオバターが配合されているので、潤いのある滑らか髪になります。特にココナッツオイルには自然の抗生物質とも呼ばれる強い抗酸作用があるラウリン酸が含まれており、この作用が頭皮環境を整え、欧米では天然のフケ治療や予防としても使用されています。
シャンプーの種類は「ノーマルヘア用」だけでなく、「頭皮に問題を抱えている方用」「乾燥し傷んだ髪の方用」「スーパードライヘア、カーリーヘアの方用」「オイリーノーマルヘアの方用」などバリエーションも豊富です。さらに専用のカラフルなコンテナも販売されており、生分解性に優れた竹素材の商品が作られています。
■エティークのほかにも様々なサスティナブルブランドを取り扱う「ethicame(エシカミー)」
エティークを展開するブランド「ethicame(エシカミー)」という名前は「ethical(エシカル)なme(私)」という由来からなっています。
誰もが自身でエシカルなライフスタイルを楽しめるようにと、環境・社会・人にやさしい製品を取り扱い、健康的なライフスタイルを提案しています。
独自に決めた「The ethicame clean standard」を活用して、一定の基準をクリアしたオーガニックやクリーンな商品を提供しています。
・エシカミー独自の基準
「オーガニック認証」
有機認証のある商品、または同等の基準をクリアした化粧品を取り扱います。
「動物実験を行わない」
いかなる動物であっても実験対象になる必要はなく、エシカミーでは動物実験をした化粧品は取り扱いません。
「パーム油不使用」
エシカミーではRSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)会員から供給されるパーム油以外は使用しません。
「限りなくゴミを減らす取り組み」
ゴミを処理する方法を考えるのではなく、ゴミを出さない方法を考えることが必要です。エシカミーではプラスチックの代替となる生分解性素材やCO2排出の少ない材料を使った製品を取り扱います。
「エココンシャス」
新しい素材についても学び、ブランドのストーリーの情報を届けることも社会にプラスとなる繋がりを実感できる大切なことだと考えています。
「環境へのサポート」
エシカミーでは売り上げの一部を社会・環境問題を解決する小さな草の根運動を行っているNPOやNGOに寄付しています。エシカミーで商品を購入したユーザーと共に社会貢献
していることを明確にします。
・長く愛用したくなるエシカミーのアイテム
エシカミーではスキンケアやヘアケア商品、生活雑貨、サニタリー、コーヒーなど、幅広いアイテムを取り扱っています。
「Ecoffee Cup」というブランドでは土の中で分解可能なオーガニックのバンブーファイバー(竹の繊維)、コーンスターチ、アミノ酸由来の樹脂を使ったコーヒーカップを販売。カラフルな色合いやスタイリッシュなデザインでコーヒータイムが楽しくなるようなアイテムとして人気があります。
このようにエシカミーではユーザーが長く愛用したくなる様々なアイテムを提供しています。
2012年にニュージーランドで誕生し、2019年2月に日本に初上陸したエティーク。
そのエシカルでサスティナブルな商品は日本でも注目されています。
自然環境や動物、そして人にやさしい商品なので、子ども達や地球環境の「これから」を守る取り組みにも繋がります。今後もエティークから出てくる新商品にも、目が離せません。