日本美術の装飾性に焦点を当てた企画展「日本の美 美術×デザイン-琳派(りんぱ)、浮世絵版画から現代へ」の開会式が9日、富山市の県美術館で行われた。近世から現代までデザイン性に優れた作品がそろい、招待客を魅了した。一般公開は10日から10月20日まで。
「アートとデザインをつなぐ」を運営方針に掲げて2年前にオープンした同館が、デザインの視点で日本美術の魅力を伝える初めての大規模展。3回にわたり展示替えしながら、全国の美術館などから借り受けた265点を紹介する。
関係者によるテープカットの後、八木宏昌学芸課長による作品解説があり、琳派の祖・俵屋宗達や浮世絵師の葛飾北斎、装飾的な日本画を生み出した加山又造らの優品の見どころを説明。春夏秋冬の景色を巧みに散らす配置の妙や、役者絵の大胆なトリミングなどに触れ、「日本人には独自のデザイン感覚があり、それらが現代作家に受け継がれていることを感じてほしい」と話した。
ダチョウをモチーフとした日本画を手掛ける福井江太郎さん(東京)も出品作について語った。
同展は県美術館と北日本放送、北日本新聞社主催。NHK・Eテレの番組「びじゅチューン!」の世界を体感できる「なりきり美術館」も併催する。