全日本F3選手権が2020年から『スーパーフォーミュラ・ライツ』へ。JAFが規定改正を発表

 JAF日本自動車連盟は8月9日付けで、『2020年日本レース選手権規定の制定』と題した公示を発表した。このなかで、これまで全日本F3選手権として制定されていたレースに該当する箇所のレース名称が『全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権(SFL)』となることが明らかにされた。2018年からのFIA国際自動車連盟によるF3カテゴリーの再編を受けての改正と推測される。

 1979年から、世界統一規則であるF3規定のレースとして40年にもおよぶ歴史を築いてきた全日本F3選手権。これまでスーパーGTやスーパーフォーミュラ、さらにF1等で活躍するトップドライバーを輩出してきたカテゴリーだが、その名称が改められることになりそうだ。

 8月9日付けでJAFから発表された『2020年日本レース選手権規定の制定』を見ると、『第3条 選手権の構成』から、下記のように規定が変更されている。

・2019年規定
第3条 選手権の構成
1.全日本選手権
全日本選手権は、次の2部門で構成される。
1)全日本スーパーフォーミュラ選手権(以下「SF」という。)
ドライバーおよびチームに選手権を与える。
2)全日本フォーミュラ3選手権(以下「F3」という。)
ドライバー、チームおよびエンジンチューナーに選手権を与える。

・2020年規定
第3条 選手権の構成
1.全日本選手権
全日本選手権は、次の2部門で構成される。
1)全日本スーパーフォーミュラ選手権(以下「SF」という。)
ドライバーおよびチームに選手権を与える。
2)全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権(以下「SFL」という。)
ドライバー、チームおよびエンジンチューナーに選手権を与える。

 規定内では、以下の文章でも『全日本F3選手権』に該当する部分が『全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権』に変更されており、この新名称が全日本F3選手権を差すことが分かる。名称以外の部分については、ドライバーの参加資格の部分のみ『国内競技運転者許可証A以上の所持者』が『国内競技運転者許可証Aもしくはそれと同等以上の所持者』となっているほかは変更がない。

 F3規定については、2019年からFIAの主導により、それまでのGP3を実質的に受け継ぐかたちでFIA F3インターナショナルシリーズが誕生。さらに、世界的には各地域でFIA F3リージョナルシリーズが誕生しており、F3というカテゴリーは2段階で形成されている。

 一方で、それまでのF3規定を使ったレースは、2018年までヨーロッパで行われていたヨーロピアンF3、トヨタ3S-Gを使ったユーロフォーミュラオープン、そして全日本F3選手権というシリーズが開催されていたが、FIA F3インターナショナルの誕生でヨーロピアンF3は消滅していた。

 ただ、FIA F3はそれまでのF3規定シャシーに比べ、パワーでは優るもののダウンフォースが小さく、日本のトップカテゴリーで、強大なダウンフォースを操らねばならないスーパーフォーミュラやスーパーGT GT500クラスに参戦するドライバーを育成するには適さないのではないかという指摘も聞かれていた。

 2020年に向け、ダラーラは既存のF312〜317シリーズの後継車両となる『ダラーラ320』を発表しており、新生『スーパーフォーミュラ・ライツ』ではこの車両が使用されると推測される。『F3』というカテゴリー名はFIAの下使うことはできないが、これまでも全日本F3選手権はスーパーフォーミュラと併催されており、そのためこの名称になったと思われる。

ヘイローなど、2018 F1安全基準を備えたダラーラF320

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