韓国選手団が来日中止 県青少年スポーツ交流事業

神奈川県庁

 日本と韓国の関係悪化に絡み、県は9日、青少年スポーツ交流事業で韓国の選手団が「両国関係の冷え込み」を理由に来日中止を決めたと発表した。中国を含む3カ国の友好都市が15年間続けてきた事業で、政治的理由による不参加は初めてという。

 同事業は、県と友好提携している中国・遼寧省と韓国・京畿道の高校生計約150人が、男子サッカー、女子バスケットボール、男女卓球の3種目で交流を深める内容。今月19日から5日間、横浜市や座間市などで親善試合と学校訪問、県内視察を計画していた。

 県によると、京畿道側から8日午後にメールが届き、「日韓の貿易問題による両国関係の冷え込みを考慮し、今回は参加しない」などと記載され、全種目の選手団の来日中止を伝達。遼寧省側からも、政治的背景はないものの2種目の選手団派遣が困難になったと連絡があったという。

 これを受け、今回は日中両国の選手団計約50人による卓球の親善試合のみ実施することに決定。日程も4日間に短縮する。黒岩祐治知事は「青少年たちの心情をおもんぱかると大変残念。地域間の交流は国家間の関係にかかわらず継続していくべきだ」とコメントした。

© 株式会社神奈川新聞社