長崎、原爆投下から74年 平和祈念式典開催

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長崎、原爆投下から74年 平和祈念式典開催

9日、長崎市の平和公園で行われた平和祈念式典。(長崎=新華社記者/杜瀟逸)

 【新華社長崎8月9日】長崎市は原爆投下から74年を迎えた9日、平和公園で「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」を行った。犠牲者の遺族や市民ら約5200人が参列し、犠牲者に哀悼の意を示すとともに、世界の恒久平和への誓いを新たにした。

長崎、原爆投下から74年 平和祈念式典開催

9日、長崎市の平和公園で行われた平和祈念式典の参列者。(長崎=新華社記者/杜瀟逸)

 式典は午前10時40分、被爆者による「もう二度と」の合唱で始まり、この1年間で死亡が確認された被爆者の名前を書き加えた原爆死没者名簿が慰霊碑に納められた。長崎市議会の佐藤正洋議長の式辞に続いて献水と献花が行われ、原爆投下時刻の午前11時2分には、参列者全員が起立し1分間の黙とうをささげた。

長崎、原爆投下から74年 平和祈念式典開催

9日、長崎市の平和公園に隣接する爆心地公園で手を合わせる男性。(長崎=新華社記者/杜瀟逸)

 長崎市の田上富久市長は平和宣言で「日本は今、核兵器禁止条約に背を向けている」と述べ、広島市の松井一実市長が6日に訴えたのと同様、一刻も早い核兵器禁止条約への署名、批准を日本政府に求めた。さらに「『戦争をしない』という決意を込めた日本国憲法の平和の理念」を堅持するよう政府に訴えた。

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9日、長崎市の平和公園に隣接する爆心地公園で手を合わせる人々。(長崎=新華社記者/杜瀟逸)

 宣言後には、平和の象徴である白い鳩が空へと放たれ、被爆者を代表して山脇佳朗さんが「平和への誓い」を読み上げた。安倍政権が目指す憲法9条改正を念頭に、「戦後に確立した『平和憲法』を守り続ける」よう求めると、安倍晋三首相に視線を向けて「この場でお願いしたい」と語り掛けた。さらに、英語で核廃絶への支援をアピールすると、会場からは大きな拍手が送られた。

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9日、長崎市の平和公園で行われた平和祈念式典で、あいさつする日本の安倍晋三首相。(長崎=新華社記者/杜瀟逸)

 安倍首相は式典のあいさつで、日本政府が引き続き「非核三原則」を堅持すると述べたが、「核兵器禁止条約」や広島、長崎に原爆が投下されるに至った歴史的背景には触れなかった。

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9日、長崎市で行われた平和祈念式典で、被爆者を代表して「平和への誓い」を読み上げる山脇佳朗さん(85)。(長崎=新華社記者/杜瀟逸)

 その後、グテレス国連事務総長のメッセージを中満泉事務次長・軍縮担当上級代表が代読し、参列者が「千羽鶴」を合唱。式典は午前11時45分ごろ終了した。

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9日、長崎市の平和公園で、平和祈念像の上に飛ぶ鳩。(長崎=新華社記者/杜瀟逸)

 神戸から来た大学教授の岩崎久志(57)さんは両親が被爆者で、父親は十数年前に亡くなった。取材に対し、「式典に参加したのは今回が初めて。原爆の悲惨さとひどさを実感し、『原爆を絶対許さない、核兵器をなくすべきだ』という思いが強くなった」と述べ、「日本の平和憲法、特に9条は大切だ」と憲法改正に反対した。

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9日、長崎市の平和公園で行われた平和祈念式典で献花する学生の代表。(長崎=新華社記者/杜瀟逸)

 同日、平和公園に隣接する爆心地公園では、複数の民間組織が集まり、沖縄県名護市辺野古の新基地建設反対や、安倍首相の平和祈念式典出席反対などを訴えた。

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9日、長崎市の平和公園に飾られた千羽鶴。(長崎=新華社記者/杜瀟逸)

 日本は長期にわたり、自らを第2次世界大戦で被爆した「被害者」であるとしてきたが、原爆投下に至った歴史的背景について語られることは少ない。(記者/彭純)

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9日、長崎市の平和祈念式典で大空に放たれた鳩。(長崎=新華社記者/杜瀟逸)

長崎、原爆投下から74年 平和祈念式典開催

9日、長崎市の平和公園で行われた平和祈念式典で、原爆死没者名簿を慰霊碑に納める代表者。(長崎=新華社記者/杜瀟逸)