沖縄尚学 、聖地で痛感した「1球の重み」 9回まさかの盗塁、同点

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習志野-沖尚 9回表習志野1死一塁、一走の二盗を阻止しようと沖尚遊撃手の山下航平が懸命のタッチ。わずかに及ばず=甲子園球場(金城健太撮影)

 【甲子園取材班】粘り実らず、無念の逆転負け-。9日、甲子園球場で行われた第101回全国高校野球選手権大会1回戦で、県代表の沖縄尚学は九回1死から習志野(千葉)に追い付かれ、延長十回の接戦の末に4-5で競り負けて初戦突破はならなかった。

 沖尚は0-2の四回裏1死一、三塁、5番崔の中越え三塁打で追い付き、6番奥原海斗のスクイズで勝ち越しに成功。直後の五回に追い付かれたが、六回1死満塁で再び奥原がスクイズを決め、1点リードを奪った。

 だが勝利を目前にした4-3の九回表1死、安打で出塁を許すと、失策も絡んで追い付かれた。裏の攻撃も相手エースの飯塚脩人に三者連続三振に取られ、延長戦に突入。十回1死二塁から中越え適時二塁打を浴びて逆転負けを喫した。

 仙台育英は五回に10得点するなど24安打20得点の猛攻で、初出場の飯山(長野)に20-1で大勝。鶴岡東は高松商(香川)に6-4で逆転勝ち。鳴門(徳島)は花巻東(岩手)に10-4で快勝した。

■「これが全国との差」無念の逆転負け

 九回1死走者なし。4-3とリードした沖縄尚学は5年ぶりの初戦突破まで、あとアウト二つ。だがここからセンバツ準優勝の習志野が牙をむいた。逆転劇で激戦の千葉大会を制した強豪が、このまま終わるはずがなかった。

 マウンドの永山蒼は「抑えてやるという気持ちだけ」と強気を忘れていなかった。だが、相手も甘い球を見逃してくれなかった。習志野の山内翔太への初球、浮いた直球を右前に運ばれた。

 比嘉公也監督が「これが全国との差」と語ったのは、この直後の場面だ。

 続く打者への3球目、一走の山内に盗塁を仕掛けられた。捕手の岡野真翔は「走る前提で構えていた」と、外角の直球を素早く二塁送球。だがわずかに山内の足が勝り、判定はセーフとなる。習志野の奇襲から生まれた焦りは内野陣に伝染し、失策も絡んで1点を献上。勝利目前で流れを習志野に明け渡し、延長十回表に適時二塁打を浴びて4-5で初戦敗退した。

 秋春の沖縄大会での敗戦から、センバツ準優勝を追い詰めるまでに成長した沖尚ナイン。それでも岡野は「自分が盗塁を刺せれば勝てた」と涙が止まらない。指揮官も「最後にあんな盗塁をするとは思わなかった」。聖地で全国トップの地力を見せつけられた。

 試合前日、「先輩たちが悔いが残る試合はしたくない」と話した永山。四回からリリーフし、自慢の直球で八回まで2安打1失点に抑えていただけに「後悔が残る」と表情は曇ったままだった。

 聖地で痛感した「1球の重み」。自身の課題と向き合い、またこの場所に戻るため、腕を振り続ける。(我喜屋あかね)