海星 西の空に思い重ねて 平和に感謝、練習前に黙とう

 12日に聖光学院(福島)との初戦を迎える長崎県代表の海星は9日、大阪市内で2時間ほど汗を流した。74年前の長崎に原爆が投下された午前11時2分には練習の準備を中断し、西の方角へ整列して黙とう。選手たちはあらためて平和の尊さをかみしめた。

 祖父母が被爆者のエースナンバー柴田は「8月は特別な月。初めて県外でこの日を過ごす。今の生活は当たり前じゃない。応援してくれる県民にプレーで恩返ししたい」と気持ちを新たにし、広島県呉市出身の加藤監督は「こうやって真っすぐに野球をやらせてもらっていることに感謝しなければいけない」と話した。

 練習では長崎大会で対戦が少なかった左投手を想定した打撃などを実施。主将の坂本は「細かなことまでシミュレーションしながらやっている。残りの短期間でどれだけ集中して、今までやってきたことを信じてやれるか」と気を引き締めていた。

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