【MLB】イチロー、プホルスに続け! 次の3000本安打クラブ入りは誰だ?

エンゼルスのアルバート・プホルス(左)とイチロー氏【写真:Getty Images】

現役選手で3000本安打を達成しているのはエンゼルス・プホルスのみ

 イチローが劇的な引退を飾ってから4か月足らず、MLB現役選手で3000本安打をクリアしているのは、イチローと同じ2001年にメジャーデビューしたアルバート・プホルス内野手(エンゼルス)だけになった。

 MLBの3000本安打は、野球殿堂入りのパスポートだといわれる。32人いる3000本安打達成者のうち、殿堂入りしていないのは現役選手と引退後5年を経過せず選出資格がない5選手(ジーター、ベルトレ、プホルス、イチロー、ロドリゲス)を除くと、野球とばく事件で球界を追放されたピート・ローズとステロイド使用疑惑が報道されたラファエル・パルメイロだけだ。それだけに、打者にとって3000本安打は大きな目標になっている。

 現役選手の通算安打数10傑。/は今季安打数。今季メジャーでプレーしていない選手は除外した。

1.アルバート・プホルス(エンゼルス39歳)3164安打/82安打
2.ミゲル・カブレラ(タイガース36歳)2782安打/106安打
3.ロビンソン・カノ(メッツ36歳) 2552安打/82安打
4.ニック・マーケーキス(ブレーブス35歳) 2341安打/104安打
5.イアン・キンズラー(パドレス37歳)1998安打/55安打
6.メルキー・カブレラ(パイレーツ34歳) 1941安打/85安打
7.ヤディアー・モリーナ(カージナルス37歳) 1918安打/68安打
8.アダム・ジョーンズ(ダイヤモンドバックス34歳) 1917安打/104安打
9.ライアン・ブラウン(ブルワーズ35歳) 1899安打/97安打
10.ハンリー・ラミレス(インディアンスFA35歳) 1834安打/9安打

 3000本に最も近いのはタイガースのミゲル・カブレラ。2012年にカール・ヤストレムスキー(レッドソックス)以来45年ぶりの3冠王に輝き、すでに殿堂入り確実とされている。昨年は故障もあって40安打しか打てなかったが、今季は105安打と元気だ。36歳、3000本は大いに可能性があるだろう。

 ロビンソン・カノはヤンキースで松井秀喜の同僚。好守好打の二塁手として知られたが、近年は故障がち。今季はマリナーズからメッツに移籍したが、82安打、打率.252と冴えない。

 プホルスも含め上位の3人は、チームと大型契約を結んでいる。キャリア終盤に入って年俸に見合う働きができなくなっている。チームにとってもファンにとっても悩ましいところだ。4位のマーケーキスは、2006年のデビュー以来14年連続で100安打を記録している外野手。ゴールドグラブに3回、シルバースラッガーに1回選ばれているが、主要タイトルはなし、オールスター戦にも1回しか選ばれていないが、35歳で今季も元気。数年後、意外にこの選手が大台をクリアするかもしれない。

 6位のメルキー・カブレラはヤンキースではカノとともに売り出した選手だが、2013年に禁止薬物の使用が報道され、以後、チームを転々としている。34歳だが、あと1000本以上安打を打つのは難しそうだ。

 こうしてみると、スーパースターでも3000本安打を打つのは至難の業であることがわかる。今、メジャーで最も評価が高い打者と言われるエンゼルスのマイク・トラウトは27歳で1301安打しているが、それでも道のりは長い。27歳でMLBに挑戦して3000本を打ったイチローは今さらながら偉大だったと実感する。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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