上田慎一郎&石川瑠華&井桁弘恵☆「カメ止め」監督と大注目の女優がタッグ!

上田慎一郎&石川瑠華&井桁弘恵☆「カメ止め」監督と大注目の女優がタッグ!

2018年に一大ブームを巻き起こし、異例のロングランヒットを飛ばした映画「カメラを止めるな!」の監督・上田慎一郎によるオリジナル脚本を、上田と浅沼直也、中泉裕矢の3人の監督が共同で撮り上げた映画「イソップの思うツボ」。名字に亀(カメ)、兎(ウサギ)、戌(イヌ)の文字が入っている3人の娘(ヒロイン)がいる3家族の運命が、ひょんなことから絡み合い、イソップ童話さながらのだまし合いが繰り広げられる。舞台や映画で活躍する実力派女優・石川瑠華が、カメだけが友達の女子大生・亀田美羽を、ゼクシィのCMでも注目を集めた井桁弘恵がタレント家族の娘でセレブな女子大生・兎草早織を、女優・モデルとして活躍中の紅甘が復讐代行屋の娘でその日暮らしの生活をする戌井小柚を好演。「カメラを止めるな!」のように、またも観客を華麗にあざむく予測不能な展開を見せる作品の現場とは、一体どんなものだったのだろうか。上田監督と石川、井桁に聞いた。

──「カメラを止めるな!」に続き、またも見事にだまされる構成ですが、完成までに3年以上かかったそうですね。

上田「オムニバスではない1本のつながった物語を、3人の監督で撮るというむちゃさが最も効果的になるにはどんな構成かを考えるのに、2年以上費やしました(笑)。3人も監督がいると、誰か1人は『それは嫌』ということが多く、なかなかまとまらなくて。最後はもう、『“イソップ童話”というモチーフと“3つの家族の物語”というベースから始めるから、そこは文句を言わないように』ということで始めました。最終的な展開は、’18年に入ってから固まったものです。基本は僕が主に(脚本を)書いていましたが、監督の浅沼さんと中泉さんは脚本も共同で担当していたので、ずーっと議論ばかりでした(笑)」

──そうして出来上がった台本を読まれた感想は、いかがでしたか?

石川「それが、読んでも全体図が全然見えなくて(笑)。撮影中も美羽をどうしようかな、と考えていました。ただ、美羽がやりたいと考えていることはちゃんと見えていたので、それでいいのかな、と思って演じました」

上田「それ、毎回結構言われがちなんです。構造が複雑なので、台本の内容が文字面だけ見ても、よく分からないって…(笑)」

石川「美羽にとってお母さんが絶対的な存在ですが、渡辺真起子さんが心の芯にまで刺さってくるようなお母さんを演じてくださって、それが最後まで自分にとって素晴らしい刺激になりました」

井桁「私も台本を読んだだけじゃ分からなかったです。自分なりに相関図を書いてみたりして理解しようとしましたが、全然、分からなくて(笑)」

上田「“全然”かぁ(笑)」

井桁「ただ私も、早織が真っすぐな子なので気持ちの面では理解しやすくて良かったです。自分が出ていないシーンを含め、完成した作品を見て初めてつじつまがあって、いろんな伏線があったことに驚きました。普通の人は想像がつかないような展開で、本当にすごいなぁ、と」

──3人の監督の演出はやはり違いましたか?

石川&井桁「全く違いました!!」

上田「そうですね、3人とも違うと思います。1人1人が違う演出ということに加え、3人で一緒にいる時はまた違う演出になるという、二重の意味での違いも出ていると思います」

井桁「シーンごとに違うのですが、学園パートは中泉監督が担当されて、すごくキラキラした青春の雰囲気がありました」

石川「上田監督は、『こう見えるから、こうして』というふうに、演者目線よりも観客目線をすごく考えている指示や演出をされていると感じました」

上田「それは今回、初めて気付きました。確かに僕は感情のガイドみたいなことはあまりしないタイプだな、と。感情を明言してしまうとそれが正解になってしまうので、そこは役者に任せたいな、と思っています」

石川「感情のガイドをしてくれたのは、中泉監督でした」

上田「彼は役者出身なので、俳優がどうしたら演じやすいか、ということをよく考えているなぁ、と思いましたね」

井桁「私は逆のイメージ! 学園パートの時は、中泉監督から“早織がどう見えるように動くか”とか、高圧的な感じに見えるように演じてほしいという演出で。上田監督からは、例えば山小屋のシーンなど、早織の感情について話していただいた印象が強いです」

上田「確かに、シーンによって使い分けていたと思います。やっぱり監督の3人とも好みは違っていて、中泉さんは割と人情派でハートフルなタイプ。浅沼さんはアーティスティックな感性の持ち主。そういう部分も含め、脚本の段階で僕がイメージしたものとは違う演出になっているので、そうした“いびつさ”がどう伝わるか少し不安もあります。でも、それが魅力につながってくれていることを信じています」

──さて、美羽の心の友は“カメ”ですが、皆さんそれぞれの心の支えになっている存在は何でしょうか?

石川「大好きなくまのプーさんの抱き枕です。毎日、癒やされています!!」

上田「すごくベタですが、妻と子どもですね。妻と幼稚園からの幼なじみと、3人で会社を立ち上げて、プライベートから仕事まで一緒にやっているのですが、近くに忌憚(きたん)なく意見を言ってくれる人、弱音を吐ける人がいるのは、やっぱり心の支えになっています。特に、妻が笑い上戸で、つらいことの愚痴を言ってもいつの間にか笑い話に変わっているんです。シリアスなことも全て笑いに変えてくれる人が近くにいるのは大事ですね。2歳の息子も、言葉をどんどん覚えてきています」

井桁「私は地元の福岡が大好きで、その存在が大きいです。ちょっと帰るだけでも元気をもらえますし、初心を思い出させてもくれますし、応援してくれる友達や親戚がたくさんいるので! リフレッシュできて、また頑張ろうと思わせてくれるのが福岡という存在。いつか福岡に恩返しができる活動がしたいな、とも思っています」

石川「みんなが素晴らしいことを言っているので、私、“映画”に変えてもいいですか?(笑)。古い作品から新作までいろんな作品を見ているのですが、見ると気力をもらえるのが映画です!!

──では最後に、だまし合いを描いている本作にちなんで、ご自分はだまされやすい方ですか?

井桁「私はだまされない方だと思います。ただ、小学生の時に一度だまされた経験があります。母がすごくエイプリールフールが好きで、友達の親も一緒になって、『担任の先生がミュージシャンになる』とうそをつかれました。それで、みんなで信じて大騒ぎしたのが、最後にだまされた記憶です(笑)」

上田「僕はすごくだまされやすいですね。投資詐欺みたいなもので200万円くらい借金をしたこともありますし、『自費出版しませんか?』と持ち掛けられて、また200万円くらい借金をしたり、『手相を見せてください』と言われてだまされたり…。多分、ピュア過ぎたんです(笑)。今はある程度、社会にもまれましたが、それでも人を信じやすいので、やっぱりだまされやすいですね…」

石川「私もだまされやすいタイプです。例えば、誕生日のサプライズでも、みんなが演じていることに普通に気付かないです。他にもありますが…内緒です(笑)!」

【プロフィール】


上田慎一郎(うえだ しんいちろう)
1984年4月7日滋賀県生まれ。牡羊座。A型。初の劇場用長編映画「カメラを止めるな!」(’18年)が興収31億円を超える大ヒットを記録。最新作「スペシャルアクターズ」が10月18日公開予定。

石川瑠華(いしかわ るか)
1997年3月22日埼玉県生まれ。牡羊座。B型。’17年から女優として活動。「左様なら」が9月6日、主演を務める「猿楽町で会いましょう」が’20年公開予定のほか、複数の出演映画が公開待機中。

井桁弘恵(いげた ひろえ)
1997年2月3日福岡県生まれ。水瓶座。O型。’18年に「ゼクシィ11代目CMガール」に抜擢され話題に。9月1日スタートの「仮面ライダーゼロワン」(テレビ朝日系)に出演。

【作品情報】


「イソップの思うツボ」
8月16日(金) 全国ロードショー

上田が監督・脚本、浅沼直也と中泉裕矢が監督・共同脚本を務め、イソップ童話さながらにウサギとカメ、そしてイヌの奇想天外なだまし合いを描く。内気な女子大生の亀田美羽(石川)、タレント家族の娘の莵草早織(井桁)、復讐代行屋の娘の戌井小柚(紅甘)が出会い…。

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取材・文/折田千鶴子 撮影/中越春樹 ヘア&メーク/西田尚代(石川)、帆足雅子(井桁) スタイリング/前璃子「JOE TOKYO」(石川)、小山田孝司「The VOICE MANAGEMENT」(井桁)

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